庭・garden
2025年4月18日更新
【自分でつくる庭】神秘的な青緑の花 ヒスイカズラ見頃|1株から1700房超
このコーナーでは、施主自ら楽しみながら作った庭を紹介する。

松田昌次さん宅の庭(読谷村高志保)
神秘的な青緑の花 ヒスイカズラ見頃
1株から1700房超
青緑色のヒスイカズラが連なる松田さん宅の庭。「今年の房数は1700を超える。昨年より多い」と松田さん。一房一房にピンクの毛糸を巻きながらカウントした。「昨年は1600房まで数えた」
多い日は300人来訪
4月10日、読谷村高志保の座喜味城跡近くにある松田昌次さん(75)宅の庭を訪ねた。「この間はテレビの取材が来ていた。明日は新聞が来る」と、ヒスイカズラが咲くこの時期は毎年、引っ張りだこ。15年前から挿し木で育てはじめ、今や「多い日は300人くらいが見に来てくれる」。植物園顔負けの観光スポットとなっている。
その名の通り、翡翠(ひすい)色で勾玉(まがたま)のような神秘的な花に魅(み)せられ、手塩に掛けて育ててきた。今年は1700超の房を付けた。「昨年より多いけど、房の長さは短め。1株からこれだけの数の花を付けるので、エネルギー的にきついのかもしれない」と話す。樹勢を保つために「1年を通し、有機肥料を与えている。農薬は一切使わない」とこだわりを語る。
「ヒスイカズラも私と同じ生き物だから、水だけでなく、おいしいもの(肥料)をいっぱい食べさせて愛情を注いでいる。その分、美しい姿を見せてくれるのが、やりがい」
わが子のようにかわいがっているヒスイカズラを、より美しく見せるため「花が目線の位置に来るように高さを調整したり、房同士が重ならないようバランス良く配置したりと毎日、目配り・気配りが欠かせない」と話す。

門扉の脇にある、この1株から1700を超える房を付けた。「この株には、1年を通してしっかり有機肥料を与えている。ただ、もう15年育てているので、そろそろ2代目を育てることも考えている」

ヒスイカズラが開花する時期は、新聞やテレビ、ラジオなどに引っ張りだこの松田さん。「今年の見頃は5月上旬くらいまで」と話す
落ちた花まで〝写真映え〟
5月上旬まで見頃
敷地に入る前から、立派な石積みの階段と石垣が目を引く。「この石ゼーク(石工)の手仕事と、ヒスイカズラの組み合わせも、ウチの庭の見どころ」と松田さん。
石の上には落ちたヒスイカズラの花がチョウチョのような形や円形に並べられている。「ちょっとしたイタズラ。子どもたちがとっても喜んでくれる」と笑う。ヒスイカズラの牙を付けたシーサーも、撮影スポットになっているそう。

(上)落ちた花まで庭の彩りに。「近所の保育園から園児が見学にくると、『チョウチョだ!』と大喜びしてくれる」
(下)シーサーの牙をヒスイカズラにした
「糸満市や国頭村から見に来てくださったり、ボリビア在住のウチナーンチュからメッセージをもらったり。ヒスイカズラのおかげでたくさんの出会いにつながっている」と笑顔の松田さん。
今年の冬は寒かったことから開花が遅く、2月下旬から咲き始めた。「5月上旬ごろまでが見頃」と話した。

門扉をくぐると、インパチェンス、ペチュニア、ベゴニア、アマリリスなどさまざまな花が咲いている。「ヒスイカズラが咲く時期に合わせて、ほかの植物も見頃になるようにしている」

松田さん宅は道路沿いにたち、ヒスイカズラやベゴニアなど、さまざまな花が道行く人の目を楽しませている

立派な石積みのアプローチも見どころの一つ

庭の奥にも約800房のヒスイカズラが連なる
取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2050号・2025年4月18日紙面から掲載
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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。