家づくり
2021年7月16日更新
建材ピックアップ|日よけ・目隠しにオーニング
照りつける日差しを遮って陰をつくり、外からの視線をシャットアウトしてくれる「オーニング」。店舗でよく見かけるが、住宅に取り入れるケースも増えている。県内でオーニングを取り扱う会社に、その良さや人気の製品などを教えてもらった。
壁付けのオーニング。窓の外で日射を遮るため冷房効率が上がる
特徴 外で日射を遮り 冷房効率アップ
オーニングとは、英語で「日よけ」「雨よけ」を意味する。窓の外などに設置する、テント生地などの庇だ。店舗の出入り口などに設置されることも多い。日差しを遮ると同時に、外に屋根付きの半屋外空間を作る。コロナ禍でテラス席の需要が増え、再注目されている。
「オーニングを住宅に設置するケースも増えている。すだれ・よしずよりも耐久性があるし、カラーバリエーションが豊富なのも人気の理由」と新沖縄重布の吉村規亮代表。
オーニングの特徴は、カーテンやブラインドと違って外に設置すること。建物や窓に当たる前に日射をブロックするため、冷房効率が上がる。「窓周りに何も設置していない空間と比べ、オーニングを設置した空間は、エアコンの使用量が3分の1になったという調査結果もある」
「シェード」と「天井付けオーニング」
住宅への設置事例。奥が天井付けタイプのオーニング。折り畳み可能。生地はポリエステルで防水加工が施されており、日差しも雨も防ぐ。手前は一枚布で影を作るシェード。シェードはメッシュ地が多い。そのため、視線や日差しは遮るが大雨は防げない
手軽なのは「シェード」
知花テントの知花克利さんは「目隠しにオーニングを用いる人も多い。上からの目線を遮るには壁付けや天井付けタイプでもいいが、真横からの視線を切りたいときは1枚布で窓を覆う『シェード』やロールスクリーンタイプが良いでしょう」と話す。
シェードは、壁付けタイプと比べて価格が安い。ホームセンターで専用の金具も販売されていてDIYでの設置も可能だ。ただしシェードは、軽量化や風圧軽減のためメッシュ生地が用いられることが多く、大雨は防げない。
一方で庇タイプのオーニングは、「防水加工された生地を選べば、雨天時も下の空間を活用できる。また、庇部分を収納できるものにすれば、台風対策も容易」。
「日差し、視線、雨、何を避けたいのかを考慮して選びましょう」とアドバイスした。
台風多い沖縄 収納可能タイプが安心・安全 傘を差して歩くのが難しいほどの強風時は、オーニングも畳んでおいた方が安心。庇型のオーニングの中でも、左写真のように収納できるタイプが「県内では圧倒的に需要が多い」と知花さん。ハンドルをぐるぐる回して収納する手動式やスイッチ一つで収納できる電動式、リモコン式もある
製品 形や機能も多彩 収納可能が主流
スタンダードで一番人気「ニュースーパーマキシム」
知花テント(中城村)
住宅への設置事例。日差しも雨も遮る
店舗の設置事例
店舗や住宅のオーニングを数多く手掛ける知花テントで一番人気なのが、スタンダードな「ニュースーパーマキシム」だ。壁付けも天井付けも可能。キャンバス部の収納も可能(手動、自動が選べる)。同社の知花克利さんは「日差しも雨も遮ってくれるので、下の空間を有効活用できる。色の豊富さも人気」と話した。
◆問い合わせ/知花テント(電話=098・895・7378)
外付けスクリーン「アウターシェード」
知花テント(中城村)
壁付けでもスッキリした印象の「アウターシェード」。外付けのスクリーンで、外からの視線も日差しも遮る
室内に付けるスクリーンカーテンはよく見かけるが、こちらは外付け。熱の出入りの多い窓の外で日射を遮るため、室内温度の上昇を抑え、節電効果を発揮する。従来型の壁付けオーニングよりもスッキリとした印象だ。窓にぴったり沿わせることも、少し空けてシェードのように使うことも可能。掃き出し窓だけでなく小さな窓に使えるのもメリット。
◆問い合わせ/知花テント(電話=098・895・7378)
ウエーブが美しい「ソラカゼ」
新沖縄重布(那覇市)
ウエーブを描くキャンバスが、日差しを優しくカット。リゾート感あふれるオーニングだ
ウッドデッキテラスの上部に設置。キャンバス部は開閉できるため、強風時はしまえて安心だ
パーゴラと組み合わせて使うことで、リゾート感を演出するのがこの「スライドキャンバス・ソラカゼ」だ。既存のパーゴラに設置することも、新たに専用のパーゴラを設置することもできる。
やわらかいウエーブを描くキャンバスが優しく日差しをシャットアウト。せっかくウッドデッキテラスを作ったのに昼間は暑くて出られないというお宅でも、オーニングを設置することでくつろぎの「アウトリビング」に早変わり。キャンバス部分の収納も可能。
◆問い合わせ/新沖縄重布(電話=098・861・2911)
日よけも台風対策も「ソーラーガード」
コウケン設備(豊見城市)
日よけとして普段使いすることを想定した、ハリケーン・ファブリックの「ソーラーガード」。カーテン式で、開閉も楽々
台風による飛来物や風雨から窓を守る「ハリケーン・ファブリック」から、普段の日よけにも使える「ソーラーガード」が登場。軽くて薄く、熱の影響を受けにくい糸を使用していて「紫外線を95%カットする。防弾チョッキにも用いられる素材で、耐久性も高く防火性にも優れている」と同社の担当者は説明する。カビや大気中の化学物質による劣化も少なく、10年間のメーカー保証も付いている。
◆問い合わせ/(有)コウケン設備 (電話=098・856・0116)
編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1854号・2021年7月16日紙面から掲載
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- 東江菜穂
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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。