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2021年9月3日更新

信号なしでスムーズ|名護東道路が全線開通

[歩いて見つけた!地域の住み心地-46-]ことし7月末に全線開通した「名護東道路」は、名護市数久田から伊差川までをつなぐ。信号がないのが特徴でアクセス性が向上し、大宜味村や今帰仁村まで11分ほど短縮されることが見込まれている。名護市街地の渋滞の緩和にも期待が高まる。開通から約1カ月たった今を見てきた。

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渋滞緩和にも期待

名護東道路の数久田IC付近。陸橋が伊差川方面行き。写真右奥の車が見えるところが許田方面への合流地点
 1  名護東道路の数久田IC付近。陸橋が伊差川方面行き。写真右奥の車が見えるところが許田方面への合流地点
 

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名護市数久田と伊差川をつなぐ「名護東道路」。7月31日に、数久田IC(インターチェンジ)-世冨慶IC間の2・6キロが開通した。2012年に開通した世冨慶IC-伊差川IC間4・2キロと合わせて、全長6・8キロの自動車専用道路。信号がなく、陸橋とトンネルが交互に連なって既存道路との合流地点が少ないため、スムーズに走行できるのが特徴だ。

同道路の開通により、本部町・今帰仁村・大宜味村などへの所要時間が短縮し、北部地域のアクセス性が高まった。例えば、沖縄自動車道の許田ICから今帰仁城跡までは45分かかっていたが、同道路を経由すれば34分と、11分の短縮が見込まれている。

許田ICから道の駅おおぎみまでは39分から28分へ短縮との見込み。実際、平日の日中に車で走ってみたところ、許田から伊差川まで10分、羽地まで18分、道の駅おおぎみまでは28分とぴったり。伊差川までは信号待ちがなく、ストレスフリーなドライブが楽しめた。より北の地域まで足を運びやすくなったことから、観光や地域活性にも一役買うだろう。

世冨慶ICは新しい出入り口が開通した
 2  世冨慶ICは新しい出入り口が開通した

7月に開通した数久田トンネルは全長約1キロ。トンネル内でもラジオが聞ける。トンネルの銘板は地域の中学生が書いたという
 3  7月に開通した数久田トンネルは全長約1キロ。トンネル内でもラジオが聞ける。トンネルの銘板は地域の中学生が書いたという


今後4車線の計画も

近隣町村などへの交通が分散されることで、名護市街地の渋滞緩和に期待も。国道58号はもとより、県道71号線、84号線など市街地内の主要道路は、流通・通勤・観光などの車で混雑していた。12年の世冨慶-伊差川開通時は、国道の交通量が10~20%減少したという。

今回の全線開通では、国道の世冨慶交差点、市街地内の県道での渋滞が解消すると見込まれている。実際、数久田ICでは普通車のほか、大型トラックの出入りが多く見うけられ、国道の世冨慶交差点付近では台数が少なく感じられた。沿線に店舗や雑居ビルなどが立ち並ぶ国道は、道路が狭く感じられるが、大型車両が少なくなった分、圧迫感が和らいで走りやすい印象だった。市街地内で働く男性は「通勤時の交通量が減り、スムーズに走れるようになった」と喜んでいた。

2001年の工事開始から、全線開通まで20年。現在は片側1車線の暫定2車線開通だが、整備計画は4車線となっている。今は観光客の足が遠のいているが、アフターコロナでにぎわうようになれば、同道路の本領が発揮されることだろう。

国道58号の世冨慶交差点付近。名護東道路の全線開通で混雑が緩和されると見込まれている。現在は、緊急事態宣言中ということもあり、交通量は少ない様子
 4  国道58号の世冨慶交差点付近。名護東道路の全線開通で混雑が緩和されると見込まれている。現在は、緊急事態宣言中ということもあり、交通量は少ない様子

県道71号線の様子。国道から商店街を抜けて伊差川へとつながる。道が狭く混雑しやすい
 5  県道71号線の様子。国道から商店街を抜けて伊差川へとつながる。道が狭く混雑しやすい

 

道の駅許田もリニューアル

新しくなった道の駅許田。手前が新しく整備された海側の駐車場。中央の施設3階は展望スペースになっている
新しくなった道の駅許田。手前が新しく整備された海側の駐車場。中央の施設3階は展望スペースになっている
 

内閣府沖縄総合事務局北部国道事務所提供
 
名護東道路の整備とともに、リニューアルした道の駅許田。副駅長の渡具知夏也さんは「駐車台数が増え、アクセスしやすくなりました」と話す。海側に駐車場を増設して約270台が止められ、これまでの約165台から1.6倍増になったという。現在、山側でも駐車場の整備が進む。

許田IC-名護東道路のスムーズな走行を可能にするため、施設前の信号がなくなった。それに伴い、許田方面からは海側駐車場を利用、上空通路(歩道橋)を渡るアクセスに変わった。渡具知さんは「新しいトイレを海側にも設けたり、北部地域の案内人が常 駐したりと、今後も利用者が便利に使えるよう変わるので楽しみにしていてほしい」と話した。

現在、新しい施設の2階では名護東道路の経緯をパネルや動画で展示している。

取材/川本莉菜子
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1861号・2021年9月3日紙面から掲載

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