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2020年12月18日

市民主導で持続的なまちづくりを 「浦添西海岸キンザー跡地利用を語る」シンポ


2部では福村氏(左)、真喜屋氏(中)、川端氏がディスカッション。3人は「案は一例。どんな街がいいか、みなさんと考えたい」と呼び掛けた

浦添西海岸・キャンプキンザー跡地を学ぶ会が主催する「浦添西海岸キンザー跡地利用を語る」街づくりシンポジウムが12月6日、浦添市市民交流室で開かれた。80人余が参加した。

1部は1級建築士の福村俊治氏が「浦添から沖縄の街づくりを考える」と題し基調講演した。はじめに、埋め立てや丘陵地の開発を余儀なくされてきた同市の成り立ちを紹介。キャンプキンザーの跡地利用について、「西海岸と跡地を一体的に考えることで、自然や地形をそのまま生かした沖縄型未来都市づくりが可能になる」と、有志メンバーによる通称「ロングビーチ案」を提案した。「西海岸は埋め立てずにビーチとして活用。そのビーチと既成市街地を緑道で結び、ホテル・マンション群、業務区、公園、港湾施設などを配置すれば、働き、住み、遊び、観光もできる街になる。MICE施設の整備や屋富祖地域などの再開発も可能になる」と説明した。

2部は基地跡地利用を研究する名桜大学の真喜屋美樹准教授、学ぶ会の川端ゆかり氏も登壇しディスカッション。真喜屋さんは商業施設誘致に依存してきた再開発の歴史に触れ、「目前の土地だけでなく、そのエリアを育てていく視点が必要」と示唆。市民主導でまちづくりを成功させたドイツ・ボーバン地区を例に、「市民がざっくばらんに話す場があることが重要。今後は環境も重要なキーワードになる」と話した。

不動産業も営む川端さんは、「地権者は自分の土地を減歩率で道路や公園に取られたくないと考えがちだが、住みやすい街になれば資産価値もあがる」とし、「次世代に誇れる街を残すためにも関心を持って」と呼び掛けた。


有志グループ提案の通称「ロングビーチ案」の模型を見る参加者

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