2020年3月27日
[情報]2019年度卒業設計作品選奨 最優秀賞に池原なつ子さん

同選奨の受賞者と審査員ら
最優秀賞を受賞したのは、神奈川大学4年生の池原なつ子さんの作品「マチグヮーさがし」=下写真。那覇市栄町の木造建築が密集する数街区を対象に、使っていない建物を改修や増築して、風景などの魅力を残しつつ、少しずつ街を変えていく提案をした。審査員の小林進一さんは「補強などの小さな操作で魅力を残すのはいい手法だと思う。もう少し大きな操作での建築的提案もほしかった」と評価した。池原さんは「街の再開発で風景が変わっていくことに危機感を感じていた。問題はたくさんあるけれど、提案ではそれを解決ではなく、魅力を再確認することに重きを置いた。県外大学での発表では『沖縄が好き』と伝わったけれど、県内だとシビアに現実性が問われた。県内で活躍する建築士から直接コメントいただけてうれしい」と受賞の喜びを語った。今後、池原さんは同大学の修士課程に進学、受賞した作品を持って6月の「全国学生卒業設計コンクール」に出場する。


最優秀賞を受賞した池原なつ子さん(神奈川大学)。受賞作品「マチグヮーさがし」の模型は縦横2メートル近い大作だった
応募は全部で大学部門6作品、短期大学・専門・専修学校部門2作品、工業高校部門2作品だった。審査員長を務めた大嶺亮さんは「全体の傾向として社会問題などに対して提案する作品が多くなってきた。ことしはどの作品も敷地やテーマなどに真剣に向き合って自分の考えをまとめていてレベルが高い。今後も設計をより好きになって続けてほしい」と総評した。
そのほか、各部門受賞者は以下のとおり。大学部門:優秀賞・宮城杏㮈、佳作・安谷岳、矢崎孝幸。短期大学・専門・専修学校部門:優秀賞・上間光厘、小浜恵一。工業高校部門:佳作・寺田優心。(敬称略)