2017年6月2日
【イベント】JIAが創立20周年記念講演会と式典「磯崎氏 事例基に発想の源紹介」
公益社団法人日本建築家協会(JIA)沖縄支部が2017年5月26日、国内外で建築活動を展開する建築家・磯崎新氏を講師に招いて創立20周年記念講演会を開催。会場となったナハ・テラスには大勢の聴衆が詰めかけた。
磯崎氏は「国境線の見えない島」をテーマに、ヨーロッパをはじめ中近東やアジア、日本など、世界の建築コンペで提案したプランについて、実際のプレゼン資料を交えつつ紹介した。
中東で提案した水に浮かぶ箱舟型の美術館や、東日本大震災復興支援の一環として設計したバルーン製コンサートホール「アーク・ノヴァ」などについて、設計意図や設計過程を説明。中でも2016年の夏季オリンピック誘致を目的に提案した「博多湾オリンピックプラン」では、湾岸を会場にすることでコストやセキュリティ問題の解決につなげる構想を紹介。「東シナ海沿岸なら博多、中国、沖縄も参加できるし、同様のことはペルシャ湾沿岸やカリブ海沿岸でも可能。アイデアとシステムさえあれば、国や都市が抱えるさまざまな問題を解決する提案はできる」と話した。
講演会後には式典と祝賀会も開催。當間卓支部長が歴代の支部長らへ感謝状を贈呈し、あいさつ。「組織の若返りと40歳以下の人材育成に力を入れている。次の10年に向けて次世代のために美しい街づくりに取り組む」と語った。
実験的に提案したマカオの都市計画プランについて説明する磯崎氏
週刊タイムス住宅新聞 第1639号(2017年6月2日発行)