2025年11月21日
[情報]林業と建築の連動が重要|沖縄の木造建築を漢那さんが解説

講演会には72人が参加し、漢那潤さんの話に耳を傾けた。沖縄の木造建築の可能性のほか、那覇市職員による「那覇市住生活基本計画」(2023年度改訂版)の説明も行われた
2025年度那覇市住生活月間講演会が10月28日、那覇文化芸術劇場なはーとで開かれ、(株)ISSHO建築設計事務所の漢那潤さんが講演を行った。漢那さんは沖縄の古民家を手本に現代的な木造建築を構築する「新民家MAKER」の取り組みや考え方などを解説。古民家は暴風雨を受け流すなど合理的な工法が採用されていたと説明しつつ、「昔は林業が高度に制度化され、持続可能な循環社会システムが築かれていた。林業と建築のサイクルが連動することが重要」と話した。
漢那さんは手がけた「本部町の新民家」を基に、都市型・郊外型など立地条件に応じた木造住宅のプランを紹介。特に敷地が限られる都市部に高層の鉄筋コンクリート造など自重の重い建物を建てる場合、「強固な地盤が必要となる。琉球石灰岩より深い地盤までくいを打つことになり、地下水脈の流れを変えかねない」。そのため、建物の自重を軽くできるよう、鉄骨と木を組み合わせた中高層建築のプランも提示した。
また林業と建築の循環モデルとして、進行中のプロジェクトを紹介。漢那さんは「木々の共有地と建物を共同管理。建築と同時に植林を行い、自然と建築が関わり合う暮らしの風景を目指している」と話した。



