2025年1月10日
[情報]アンダー40設計競技 庭球場管理棟の増改築|金賞に國定さん・下地さん
受賞した建築士らと審査員。國定義弘さん(前列左から4人目)と下地日向子さん(5人目)が金賞に輝いた(写真提供=県土木建築部施設管理課)
40歳以下の若手建築士の育成などを目的とする設計コンペ「ティーダフラッグス2024」(主催・沖縄県)の最終選考会が12月24日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホールで行われた。応募作品23点の中から金賞に輝いたのは、國定義弘さんと下地日向子さん(studio(スタジオ) jag(ジャグ)1級建築士事務所)の計画案「エールの広がるテニスコート」=下イメージ図。今回は那覇市の奥武山公園内にある庭球場管理棟の増改築案が求められた。
金賞作品は救護室と事務室、多目的トイレとシャワー室など用途を1カ所に集約。管理棟の2階からでも直接行き来できる観客席を東と西それぞれに増築したことで回遊性が生まれ、利用しやすい施設に計画した。さらにスロープをアクセスしやすい西側に設けるなど、車いすテニスの利用者らにも配慮している。國定さんは「経験が少ないなかでも各関係者とコミュニケーションをとり、いい建築物に仕上げたい」と意気込み、下地さんは「テニス利用者だけではなく、公園を訪れる人にも親しまれる建築物になってほしい」と語った。
最終審査では一次審査通過作品8点(うち学生賞1点)のプレゼンテーションが行われた。伊礼智選考委員長は「難しい設計課題だったと思うが、応募作品はどれも力作。特に既存建物を改修する仕事はますます増えると思うので、今後の実務につなげてほしい」と総評を述べた。
ほかの入賞作品は以下の通り(敬称略)。銀賞=真栄田裕、伊波慶洋、玉那覇寛明(以上、株式会社国建)、銅賞=古堅雄大(株式会社FAD一級建築士事務所)、松本岐成、山内盛悟(以上、ファイブディメンジョン一級建築士事務所)、学生賞=石原昌輝、石原愛華、清村裟彩、豊里一晟、チェシーコーディクリストファー、比嘉迅(以上、専修学校インターナショナルデザインアカデミー)。
完成イメージ図。「テニスのみならず、奥武山公園の利用者にエールを送るポジティブなイメージをモチーフにした」と國定さん。真ん中にある管理棟の東と西には観客席などがあり、翼を広げたような屋根がかかる(図提供=studio jag1級建築士事務所)