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2024年11月1日

[情報]第2回アサギテラスマルシェ 調査結果を発表|コンクリート建物 維持の方法探る 


コンクリート調査に耳を傾ける参加者ら。東京理科大学大学院生の石綿凜さんは「公設市場ちとせ商店ビルの塩害コンクリート調査」の結果を報告した

2回目となる「アサギテラスマルシェ」(主催・現名護市庁舎のこれからを考える会)が10月19日、名護市庁舎のアサギテラスで開かれ、建築関係者や住民ら約30人が参加した。今回は「コンクリート調査を通じた残存維持の可能性について」をテーマに掲げ、名護市庁舎のほか、那覇市民会館など公共建築物を専門家らが調査し、結果を発表した。

琉球大学の崎原康平准教授が中心に行った那覇市民会館の調査を基に、東京理科大学の今本啓一教授が考察した。鉄筋コンクリート内部にある含水量のグラフを示しながら、「同会館の柱は内側にいくほど水を多く含んでいる。これは従来の考え方とは異なる」などと報告。水は鉄筋をさびさせる原因となり、コンクリートは打設後に徐々に乾燥。含水量は減少し、水は雨水など外から浸入するため、コンクリート表面側に多く含まれるものと思われていた。今本教授は「内部に含水量が多い理由は材料として使われた海砂の塩分が水を吸収し、そのまま内部に抱え込むことにつながったのではないか」と見解を述べた。

また、午前中には東京理科大学の学生らによる名護市庁舎のコンクリート調査が行われた。精密な検査はこれからとしつつ、調査に参加した建築士の根路銘安史さん(同大学大学大学院博士課程在籍)は「構造体となる柱の鉄筋に劣化は見られなかった」と報告した。ほかにも、同市庁舎の設計を担当した山口大学名誉教授の内田文雄さんが計画当時を振り返りながら、施工方法などについて解説した。

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