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2023年7月7日

[情報]大米建設が宮古工場で製造|高炉スラグ入り生コン 県内初JIS

[情報]大米建設が宮古工場で製造|高炉スラグ入り生コン 県内初JIS
高炉スラグコンクリートを製造する宮古島市平良荷川取の大米建設宮古工場のプラント(同社提供)

大米建設(国吉修社長)が製造する高炉スラグコンクリートがこのほど、JIS認証を取得した。県内では初。台湾から輸入した高炉スラグを使い、宮古島市内の混和剤専用プラントで製造している。

同社宮古本店生コン砕石部の久貝和広部長は「塩害に強く、建物の長寿命化が期待できるのが高炉スラグコンクリート。個人住宅に使いたいという地元建築士や関係者らの協力もあり、7年前からサンプルを作るなど準備を進めてきた。既に島内の住宅に使用されており、今年夏にも2軒目が建つ予定」と話す。

高炉スラグとは製鉄の際に出る副産物のこと。コンクリートに混ぜると(1)組織が緻密になり塩害防止効果があるほか、(2)長期強度が大きく、ひび割れ(アルカリシリカ反応)を抑制でき、(3)セメントの使用量を約半分に減らせる特徴がある。二酸化炭素の排出量削減に役立つため、土木現場を中心に全国で使用されている。鉄高炉がない沖縄県では、高炉スラグを県外から仕入れる必要があり輸送費がかかること、製造には専用のプラントが必要となることなどから、これまで高炉スラグコンクリートを使うのは難しかった。

同社で使用する高炉スラグはトン袋入りで輸送されるため開封等に人件費がかかるものの、「多くの人に使っていただくためにも、当面は普通生コンに千円から2千円上乗せする程度で抑えたい」と話す。

資材高騰などの影響で宮古島の生コンは昨年から2度値上がりしており、「一般住宅向けの普通生コン(24-18-20N)で、1立方メートルあたりの値上げ幅は計4800円」。今後もこの傾向は続くと見られる。久貝部長は「宮古島からコンクリート住宅の長寿命化を発信し、顧客や社会に求められる品質を提供することで地域に貢献したい」と話した。

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