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2023年3月3日

[情 報]今帰仁村が中央公民館テーマにシンポ|歴史的意義理解し活用を


左からパネリストの服部氏、山名氏、渡邊氏、若井氏

今帰仁村は2月18日、「今帰仁村中央公民館の保存・活用」をテーマにしたシンポジウムを今帰仁村コミュニティセンターで開いた。同公民館内にあった村の教育委員会が村役場の新庁舎に集約されたことをきっかけに、今後の同公民館の利活用についての検討が目的。村民ら約90人が参加し、登壇した4人の専門家の話に耳を傾けた。

今帰仁村中央公民館は1975年に、後に名護市庁舎を設計した象設計集団とアトリエ・モビルが手がけた建物。同公民館が建設された頃は、風土より合理性を優先した建物が多く建てられていたという。

建築史などを研究する東京理科大学の山名善之教授は「同公民館は地域の気候風土や歴史を重視して設計。世界的に見ても先駆け的な取り組みで、文化的な遺産としての意義がある」と見解を述べた。

都市工学を専門に象設計集団の活動などを研究する中部大学(愛知県)の服部敦教授は、村の地域計画に触れつつ「中央公民館の計画は、それ以降象設計が手掛けた名護市庁舎や21世紀の森公園などの原型になっている」と話した。 また、象設計集団が手掛けた埼玉県のコミュニティセンター進修館の指定管理を務める渡邊朋子氏は「こども食堂やガラス工作などを楽しめる『進修館百貨店』という企画を2019年からスタート。地域の人が活動できる場づくりをしている」と施設運営の事例を報告した。

今帰仁村の地域計画にも携わった若井康彦さん(千葉県地方自治研究センター理事長)は「村民も参加して建設された同公民館。一つの建物が持つ歴史や意義を理解して今後活用していってほしい」と期待を込めた。

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