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2019年3月22日

[情報]高炉スラグコンクリートを使用した一般住宅 「戦後初めて」耐久性に期待

アトリエ・ネロは、2019年3月9日、高炉スラグコンクリートを使用した住宅の完成見学会を行った。設計を担った同社の根路銘安史さんは、「高炉スラグコンクリートを住宅に使用する例は、県内では戦後初めてに近い」と話す。

高炉スラグとは、製鉄の際に出る副産物のことで、コンクリートに混ぜることで、より緻密になり、塩害に強く、長期にわたって強度が増す。見た目は普通のコンクリートより白っぽくなる。高炉スラグコンクリートは港湾土木工事のほか、県外では建築物の基礎などに使用されている。
高炉スラグは、白い細粉末。加工せずにコンクリートに混ぜられるのも特徴
 
住宅の躯体部に高炉スラグコンクリートを使用。地下1階はコンクリート打ち放しの仕上げに。普通コンクリートよりもトーンが明るい


施主の了解を得て、同住宅では、(株)E‐CON(沖縄市)をはじめとするプロジェクトチームが台湾から輸入した高炉スラグを混和。さらに砂などの細骨材を少なめに配合するなどの工夫を加え、耐久性を追求した。東京理科大学今本研究室と共同し、中性化との関係性に対する研究も進めている。

見学会の当日は設計事務所など建築関係者らが多く訪れ、高炉スラグコンクリートへの関心の高さがうかがえた。根路銘さんは「県内では高炉スラグの輸送体制が確立されておらず、その普及に課題が残る。県内建築関連業者などと協力して、県内需要を高めていきたい」と展望を語った。ことし6月に高炉スラグコンクリートについてのシンポジウムも開催予定だという。

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