2023年6月30日
[情報]洲鎌朝夫さん設計のアトリエで|比嘉康雄さんの写真60点を鑑賞

比嘉康雄アトリエで行われた写真展
2000年に死去した写真家・比嘉康雄さんの写真展が6月28日まで、沖縄市山内の比嘉康雄アトリエで行われた。
比嘉さんが琉球弧の祭祀(さいし)世界を撮影・記録した写真集「神々の古層(ニライ社)」シリーズ全12巻の構成に沿った展示会で、今回は9巻「世を漕(こ)ぎ寄せるシチ(西表島)」をテーマに約60点の写真を展示した。比嘉さんが沖縄市山内の高齢者に地元の祭祀について聞き取りをした音声も公開された。

リビングで行われたテープの鑑賞会
同アトリエは比嘉さんの住まいでもあり、08年に亡くなった建築家で「読谷山窯」の設計でも知られる洲鎌朝夫さんが約40年前に建てた。比嘉家が代々大切に育ててきた木が生い茂る敷地に建ち、四方に設けられた大きな窓が緑を切り取る。南側の掃き出し窓の外には深い軒が張り出し、広い庭とリビングをつなぐ。

洲鎌朝夫さんが設計したアトリエ
比嘉さんの妻・信子さんは「洲鎌さんに建てていただいて、とても愛着がある。改築する話もあったが、絶対にそのままの形で残したかった。康雄の写真はもちろん、この建物自体も若い建築家たちに見てもらいたい」と話した。 今年は同写真展を8月、10月、12月にも開催する予定。開催期間以外でも建物の見学は可能。ただし事前に信子さんへ問い合わせを。電話=090・1948・8987。