2023年6月2日
[情報]窪田勝文氏が講演|「建築は癒やしと自由を与える」

講演を行う窪田氏
日本建築家協会(JIA)沖縄支部は5月26日、那覇市の県立博物館・美術館で通常総会と講演会を開催した。
講演会では建築家で広島女学院大学特任教授の窪田勝文氏が講師を務め、設計した住宅など事例を挙げつつ、自身の設計活動や建築思想について語った。
窪田氏は「建築は人の心を癒やし、自由を与えるもの」と持論を展開し、最も重要なのは「自然の取り入れ方」と述べた。窪田氏は壁などで外部と仕切る建物が人に安心感を与えると同時に、圧迫感も与えてしまうものだと感じていたという。そのため、自身の設計手法について「室内を移動しながら景色の変化を楽しめる空間づくりをしている。連続する空間の高さや幅、奥行きに長短を付けつつ、光や風を取り込む開口部と組み合わせることで、建築物を取り囲む自然を最大限生かす計画を心掛けてきた」と解説。
さらに、窪田氏は「沖縄の魅力の一つとして、本土とは異なる自然がある。しかし、地元の建築家が魅力に気づいておらず、建築に生かしきれていないことがもったいない」とも話した。
また、講演に先立ち行われた同支部の総会では本年度の事業計画などが承認された。伊良波朝義沖縄支部長は「昨年、沖縄で開催したJIAの全国大会をはじめ、対面で交流する大切さを改めて実感した。今年はコロナ禍で中止していた若手建築家のための勉強会や国際交流などを積極的に行っていく」と語った。