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2023年4月7日更新
プランターでつくるメロン 1鉢1個 ポイントは水やり|2023 春のガーデニングセミナー
「春のガーデニングセミナー」(主催・沖縄タイムス社、タイムス住宅新聞社、協賛・メイクマン)が3月18日と19日、メイクマン浦添本店で開かれた。NHK「趣味の園芸 やさいの時間」などに出演する、園芸家の深町貴子さんが、プランターでのメロン栽培や野菜作りのポイントについて説明した。
講師を務めた園芸家の深町貴子さん
参加者に植え付け方法を説明する深町さん(右)
沖縄は育てやすい環境
「プランターでつくる初めてのメロン!」と題した実演会で、深町さんはまずメロンの特徴について説明。高温を好んだり、多くの光が必要なことなどを挙げ、「沖縄はメロンを育てやすい環境なんです」と話した。続いて直径30㌢の10号鉢に鉢底石と土を入れ、苗の植え付けを実演。「病気などを防ぐため、ポットから苗を出す時は新芽や根に触れないで」と注意を促した。
そして割り箸をななめに挿し、根鉢(ポットから出した時の根と土の塊)と周りの土を固定=下写真。「根と土の隙間をなくすことで、活着も成長も早くなります」
苗を植えた様子。根鉢と周りの土は表面の高さを合わせる。割り箸を斜めに挿し、根鉢と周りの土が動かないよう固定する
水やり減らし甘さ増す
育て方について「実となる雌花は子づるや孫づるにつきやすい。親づるの10~13節目から出る子づる3本を伸ばしましょう」と深町さん=下図。ただし、光不足や30度以上の高温は雌花のつきを悪くするという。親づると葉が交わる部分を節と呼ぶ。それを下から数えて10~13節目から出る子づる3本を伸ばし、雌花を咲かせる。その雌花が受粉すると実になる
三つ雌花がついたら受粉させ、実をつけさせる。実が8㌢ほどになったら卵形のものを一つ選び、残りは摘果。追肥も行う。「1鉢に1個だけ育てることで糖分を集中させます」。
気をつけたいのは水やり。植え付け直後は鉢底から水が出るくらいしっかりやり、その後は徐々に減らしていく=下図。深町さんは「浅く広がる根はたくさんの空気が必要。実がついた時と実にひびが入った時に少し水を増やすくらいで、あとは乾燥気味に育てて。甘くておいしいメロンになりますよ」とアドバイス。収穫後は、追熟で甘い香りがしたら食べごろだという。
そのほか、雨にぬれないよう育てることや、甘くするには葉が20枚必要なこと、ゴミ袋を使った温度調節の方法なども伝えた。
育ち方知り自由に育てる
講演会は「プランターで始める野菜づくり~植物の声を聴いてみよう~」がテーマ。深町さんは「大事なのは自分の住む地域の気候や環境を知ること。そして、野菜の育て方よりも育ち方を知ること。よく観察して、植物の声を聞いてみて」と訴える。
例えば、原産地を知ればどんな気候に適しているかが分かるので、それに合わせて植え付け時期を変えてみる。ウリ科の葉が大きいのは浅い根を守るためなので株元を保護するマルチングが大事、などといったことが分かるという。「育て方は自由でいい。野菜それぞれの性格を知ると、必要なことが見えてきます」。
また、小さな循環をつくるエコガーデンを提案。「育てた野菜を食べて、葉や茎などはコンポストに入れ、できた土で野菜を育てる。そんな小さな循環をみんながやることでエコにつながる」と深町さん。最後に「プランターならどこでも自由に育てられるので、自分らしく野菜づくりを楽しんで」と呼び掛けた。
実演会で使った苗「ベランダdeメロン」
一般的なメロンより実が小ぶりで、プランターでも育てやすいのが特徴。税込み328円。メイクマン全店で取り扱い中。育て方など不明な点は、各店舗のグリーンアドバイザーに相談を。
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1944号・2023年4月7日紙面から掲載