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家族がもめないための「幸せ相続計画」の普及・啓蒙をする(一社)全国幸せ相続計画ネットワークの専門家が、相続で大切なキーワードを深掘りして解説する。今回から3回にわたって、同ネットワークに加盟する行政書士法人シナジーアシストの行政書士・仲根佑亮さんが「家族信託」について説明する。(文/仲根佑亮・(一社)全国幸せ相続計画ネットワーク加盟 行政書士法人シナジーアシスト代表・行政書士)
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相続サイクルを踏まえて
まず、相続を考える上で押さえておきたい「相続サイクル」について説明します。私が加盟する全国幸せ相続計画ネットワークが提唱している考え方で、「もめない相続」を実現するための対策を、年齢やタイミングで考えていくものです。相続や贈与で財産を引き継いだ時から、次に引き継ぐまでの一連の流れを「サイクル」として捉え、相談者それぞれに合った対策を考えていきます。
例えば、男性の平均余命である82歳で相続が起こると仮定します。相続が起こる前に行っておきたいのが「資産承継」。財産の分け方を決めたり、書面に残したりします。ここで活用されるのが遺言書や家族信託。この準備に2〜3年かかるとすると、80歳ごろから始める必要があります。
しかし、自分の想いを残すだけだと、将来もめる種になりかねません。財産の分け方を文書化する前に、相続税がかかるのか、引き継ぐと重荷になる財産がないかなどを見極めます。具体的には、換金しやすさを示す「流動性」そして「収益性」「将来性」を総合的に判断。財産を引き継ぐ子どもたちが、将来お金の不安を抱えることにならないかを把握する必要があります。そうしたことを踏まえると、遅くとも70歳までには相続対策に取り組むことがおすすめです。
家族信託の仕組み

認知症対策に有効
このような考えを基に、いよいよ「家族信託」を深掘りしましょう。「『家族信託』という言葉は聞いたことがあるけど、目的や効果って?」という方は多いです。
家族信託で必ず登場する人物は「委託者」「受託者」「受益者」です。「委託者」とは財産の所有者、「受託者」とは委託者から財産の管理を託された人、例えば家族やそれ以外、新たに家族で設立する法人でも可能です。「受益者」とは財産から生じる利益を受け取る人を指します。
家族信託とは委託者が自分の将来に備え、信頼できる人、もしくは法人に財産の管理を託し(受託者)、管理する財産から生まれる利益を受益者が受け取る仕組みです。
委託者=受益者とすることもでき、この場合、受託者に財産の名義を移して管理してもらいながら、委託者であり受益者でもある方は引き続き利益を受け取る方法です。
一般的に「家族信託が認知症対策になる」といわれるのは、受託者が財産の名義人となり、管理権限を持っているため、仮に委託者が認知症になったとしても、あらかじめ家族信託で対策を明文化しておくことによって、委託者の意思確認ができなくても財産の運用が可能になるためです。
家族信託は認知症対策以外にも有効であることは意外と知られていません。次回以降さらに深堀りします。
(一社)全国幸せ相続計画ネットワークとは
全国の士業(税理士、司法書士、弁護士)をはじめ、相続の専門家が「相続で家族をもめさせない」「相続で優良財産を減らさない」「子や孫を将来お金で困らせない」ことを目指し、「相続計画」という新しい考え方の普及啓もう活動を行う。「親の不動産(通称:もめナビ)」サイトを監修。
https://www.momenavi.com/
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」○○を深掘り(1)
第2106号(2026年4月17日発行)より転載