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「実家を相続したけれど、境界がよく分からない」。そんな身近な場面で頼りになるのが、土地家屋調査士です。第1回は沖縄県土地家屋調査士会広報部長の諸喜田秀和さんが土地や建物の状態を明らかにし、公的な記録として残す土地家屋調査士の仕事を紹介します。(文/諸喜田秀和・沖縄県土地家屋調査士会広報部長)
あなたの土地と建物を正しく記録し、安心を支える専門家です
親から土地を受け継いだときや、マイホームを新築したとき、「何か手続きをしなければならないのでは」と不安に感じたことはないでしょうか。特に土地については、「どこからどこまでが自分の土地なのか分からない」という悩みも少なくありません。こうした場面で力になるのが、土地家屋調査士です。
普段あまり耳にする機会はないかもしれませんが、土地家屋調査士は、法務省が所管する国家資格の専門家です。主な仕事は、土地や建物の「形」「大きさ」「位置」「境界」などを調査・測量し、その内容を法務局に届け出て記録することです。このように不動産の現況を公的な記録として残す手続きを「登記」といいます。なお、登記と聞くと、売買や相続の際の名義変更(所有権移転登記)を思い浮かべる方も多いかもしれません。これらの権利に関する登記は主に司法書士が取り扱います。一方で、土地家屋調査士は、土地や建物の「形や大きさ、所在」など、いわば不動産の見える部分を正確に記録する登記を専門としています。
土地家屋調査士の主な仕事


(左イラスト)境界確認測量/境界紛争が起きないように隣接地所有者と確認のうえ、境界標を設置します
(右イラスト)建物表題登記/建物を新築したときや、建売住宅を購入したときに登記の表題部を作成

日本土地家屋調査士会連合会広報キャラクター「地識くん」
将来のトラブルを防ぐ
なぜこの登記が大切なのでしょうか。もし登記がなければ、土地の広さや建物の状況を客観的に証明することができません。売買や相続の際に、「本当にこの広さなのか」「この建物はいつ建てられたのか」といった疑問が生じ、思わぬトラブルにつながる可能性があります。登記によって正しい情報が記録されることで、不動産を安心して所有し、次の世代へ引き継ぐことができるのです。
例えば、住宅を新築したときには、その建物がどこにあり、どのような構造で、どのくらいの広さなのかを記録する建物表題登記が必要になります。また、増築や取り壊しなど、建物の状況が変わった場合にも、その内容をきちんと登記に反映させる必要があります。
土地については、「境界」を明らかにすることが重要です。境界があいまいなままだと、隣地との間で誤解が生じることもあります。土地家屋調査士は、現地での測量や過去の資料調査を行い、関係者の立ち会いのもとで境界を確認し、目印となる境界標を設置します。こうした手続きを通じて、実際の土地の状況と登記の内容を一致させ、将来のトラブルを未然に防ぎます。
このほかにも、相続した土地を分ける場合や、複数の土地をまとめる場合など、不動産の形を整える手続きにも関わります。これらの具体的な内容については、今後の連載で一つずつ分かりやすく紹介していきます。
「登記」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、土地や建物は人生の中でも大きな財産です。その大切な財産を正しく記録し、安心して守り続けるために、土地家屋調査士は身近な存在として支えています。
本連載では、こうした土地家屋調査士の役割や、不動産に関する疑問について、具体的な事例を交えながら解説していきます。次回は「土地家屋調査士と測量士の違い」について紹介します。
お問い合わせ
沖縄県土地家屋調査士会
那覇市泉崎2ー1ー4大建ハーバービューマンション4F
電話 098(834)7599(土日・祝日を除く 午前9時〜午後6時)
ホームページ okinawa-chousasikai.co
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」土地家屋調査士Q&A(1)
第2103号(2026年4月24日発行)より転載