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2021年12月17日更新

【沖縄】タイミング重なればお得に|今ある家をバージョンアップ[20]

文・佐藤ともえ(リノベーション協議会沖縄支部 会員)

case20
「マンション全体の修繕工事と自室のリノベ」

購入予定のマンションや、所有しているマンションの大規模修繕工事とリノベーション工事の時期が重なってしまったら? ナイスタイミングです! 修繕工事で設ける養生を生かしたり、騒音の発生頻度も減らせたりと、メリットの方が多いと言えます。リノベ検討中の方は修繕工事の予定や内容を確認し、修繕積立金を上手に活用しましょう。

◆相談&課題
自室のリノベと大規模修繕工事の時期が重なる。リノベを延期すべき?

◆リノベのプロが提案!
同じ時期で問題なし。修繕工事による養生を生かし、騒音の発生頻度も減る。

共用部分の工事でも養生・騒音

大規模修繕工事とは、経年によって劣化したマンションの共用部分を修繕する工事です。代表的なものでは外壁塗装や屋上防水。分譲マンションには、修繕や改修を行う時期を前もって計画している長期修繕計画というものがあり、それに向けて居住者は毎月修繕積立金を納めています。

では、なぜ、この修繕工事とリノベの工事が重なるとナイスタイミングなのか?

一つ目は養生。工事に際して、施工会社はエレベーターから施工するお部屋のある階の廊下など共用部分を傷つけないために、必ず養生をします。広さによってもさまざまですが、養生費用は7万~10万円。同じタイミングであれば、これが不要になる可能性があります。

二つ目は騒音。マンションリノベは解体の際に、どうしても大きな音が出ます。1部屋だけだと上下階や隣に響きますが、修繕工事の間であればマンション全体でも工事音がしますので、工事音の発生頻度も減ることになります。

大規模修繕工事でベランダリノベ

大規模修繕工事で施工する箇所と、居住者が施工できる箇所は明確に分かれており、居住者がリノベーションできるのは基本的に室内のみです。玄関ドアをはじめ、窓サッシやベランダ、ポーチなどは共用部分のため、勝手に変更することはできません。玄関ドアの交換を希望される方は多いのですが、マンションの景観にも関わってくるため管理組合で取り決めする必要があります。

那覇市にある築30年のマンションリノベでも「玄関ドアと窓サッシの交換」「コンクリートむき出しのベランダに塩ビの床シートを敷きたい」というご希望がありました。先述のお話をしたところ、ベランダの塩ビ床シートについてはマンションの管理組合の理事会に相談することに。その結果、修繕工事の際に合わせて施工してもらう方向で進めることになったそうです。

修繕積立金を使って施工できる共用部分に関しては、立案してから施工完了まで数年のタイムラグが生じるかもしれませんが、まずは理事会に確認してみるのが吉。多額のお金をかけてキレイにしようと思っていた箇所が、思いがけずお得にキレイにすることができるかもしれません。修繕工事の予定をチェックして、理事会等に相談してみましょう。


▲養生されたエレベーター内

Before



After
自室のリノベとは工事の時期をずらしたベランダ。大規模修繕工事が終わって、きれいなベランダになってからウッドデッキを敷いた(下写真)





執筆者
さとう・ともえ
 島根県生まれ。インテリアコーディネーター資格を有する。「住まい方」から家を考える近藤典子の暮らしアカデミーを修了。間取り提案からインテリアまでトータルでコーディネートする「in tree」を夫婦で設立。


◆(株)in treeの強み
自然素材を使った家づくり。中古マンションを購入し、夫婦で設計・リノベーションした家に暮らしています。ローンのことからデザインまで実生活から得たことをそのままお伝えし、夫婦それぞれの目線から暮らしやすい家の形を考えます。那覇市小禄5-2-1 501 電話098-960-4680
https://intree.jp/


リノベーション協議会とは 消費者が安心して既存住宅を選べる市場をつくり、既存住宅の流通を活性化させることを目的に、2009年7月に発足したリノベーション業界団体。全国1000社弱の企業等が参画し、優良なリノベーションの統一規格「適合リノベーション住宅(R住宅)」を定め、普及推進している。その年のリノベNo.1を表彰する「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」も年々注目が集まっている。https://www.renovation.or.jp

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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1876号・2021年12月17日紙面から掲載

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