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リノベーション会社に勤める平良さん(40)の住まい。立地優先で物件を選んだため、約20坪と希望よりコンパクトだった。しかし、室内窓や扉なしの個室など随所の抜けが広がりを感じさせ、カビ対策にも役立っている。(編集部/東江菜穂、撮影/比嘉秀明)
平良さん宅 築35年/全面改修

リノベーション前
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リノベーション後。和室をリビング・ダイニングに変え、壁付けだったキッチンは対面式に変更した。左のデスクスペースの向こう側は寝室
改装前の希望「妻の仕事空間を確保し、職住を分ける。約20坪とコンパクトながら、子育ても家事も仕事もしやすい暮らし方を叶える」
子育ても仕事もしやすく
平良さんは、リノベーション会社に勤務していることから、「もちろんマイホームも、自社のリノベで取得したいと思っていた」。
仕事では「物件探しから携わっている。その経験が生きた」と話す。「予算・立地・広さなど、すべて希望通りの物件を探すのは難しい。『どんな暮らしがしたいか』を踏まえて、優先順位を付けることが大切」と話す。平良家の優先順位は「1位が子どもの小学校区を変えないこと。2位が予算。3位が70㎡以上の広さ」だった。
「実は、物件探しにおいて学校区を変えないことはハードルが高い。そこで、申請すれば希望の学校に通える隣接区まで範囲を広げて探したところ、予算内に該当する物件が三つに絞られた」。その中でも一番、条件に合っていたのが築35年のマンション。「広さは65㎡(約20坪)だったが許容範囲内。築年数のわりに修繕積立金が少ないことも気になったけれど、将来的に引っ越す可能性もあるので良しとした」

リノベーション前
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壁付けキッチンを対面式に変更。内装はグレーがかった「グレーシュ」を基調にした落ち着いた雰囲気
顔見える造りに
もともと3LDKだったが木壁や天井、床をすべて撤去し、改めて3LDK+ファミリークローゼットに仕切り直した。
夫人(39)は、「私は自宅で仕事をするので、『職住のスペースを分けたい』とお願いした」と話す。玄関向いの個室を仕事部屋にし、居住スペースとの間はガラス戸で仕切った。


(左写真)リノベーション前(右写真)リノベーション後。玄関土間は広めに確保した。正面の部屋が、夫人の仕事部屋

右側が夫人の仕事部屋、左側が居住空間へ続く。仕事部屋にはカビ対策のため天井にファンを設置した
横並びだったLDKは対面式に変えた。「購入時は気付かなかったけど、南と西側は眺めが良い。那覇の街や海まで見渡せるんです」と知佳さん。キッチンのそばには子どもたちのスタディースペースを設けた。
「想定より狭めだけど、掃除がしやすいし、家事動線もコンパクトで良い。家族にも目が届き、私たちにちょうどいいのかも」と、夫人は満足げに語った。

収納たっぷりのキッチン。奥の棚は、キッチン側からも、対面するリビング側からも物が出し入れできる。「実家にこういう棚があって便利だったので造ってもらった」と夫人
改修のポイント「室内窓や遮音材などを付加して機能性を高めつつ、個室や収納の扉をなくしたりコスパの良い床材を選んでコストバランスを取った」
機能性とコストを両立
設計を手掛けたリノベースの建築士・宮城美沙紀さんは「間取りは、夫人が『こうしたい』と描いてきてくださったプランを、構造や法規、コストや機能性などを考慮してブラッシュアップした」と話す。
景色が良く、明るい南側にLDKを配置。キッチンは家の中央に据えて家族に目が届くようにしたほか、キッチンの周りに水回りやファミリークローゼットを配置して家事動線の効率化を図った。

リノベーション前
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リノベーション後。リビング+和室だった場所を寝室+ファミリークローゼットにした
また、空間のアクセントになっている室内窓は機能面でも役立っている。「リノベ前、一部の壁がカビていたことを平良夫妻はとても気にされていた。そのため、室内窓を設けたり、個室や収納の扉をあえて付けなかったりして、湿気がこもらないようにした」と話す。

仕事部屋と玄関の間には収納を設けた。リノベ前は、ここの壁にカビが発生していたことから、上部に室内窓を設けて風が通るようにしている
音にも配慮。平良さんは「子どもがまだ小さくて、走り回ることがある。リビング・ダイニングなどの床下には遮音材を入れたい」と要望。「遮音材を入れた分、廊下や水回りの床は、フローリングに比べると安価でメンテナンス性も高い材をチョイスして、コストバランスを調整した」と宮城さん。
さらに「タイルを剥がす工事やコンクリート壁の解体は、騒音や振動を伴う。マンションなどの共同住宅では、近隣への影響を考え、そうした工事をしないで済むよう検討する。工事中からこうした配慮を重ねることが、入居後の円滑な暮らしにつながる」と宮城さん。平良邸ではキッチンの壁がコンクリートでタイル張りだった。施工部の知花彩香さんは「タイル壁を残しながら新しい壁下地を組んだ。収まりを考えながら、丁寧に施工した」と話した。

リビングから玄関側を見る。LDKなどの床下に遮音材を入れた分、廊下や水回りは木のフローリングではなく塩ビタイルにしてコストを削減した
DATA
家族構成:夫婦、子ども2人
築年数:35年
床面積:約65㎡(約20坪)
コーディネート:(株)リノベース 平良和之
設計:(株)リノベース 宮城美沙紀
施工:(株)リノベース 知花彩香
お問い合わせ
(株)リノベース
電話 098(917)4205
※グループ会社・福地組の「問い合わせフォーム」から https://campage.jp/fukuchigumi/renobase-otoiawase
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」こだわリノベ
第2101号(2026年4月10日発行)より転載