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ダイニングテーブルが横並びにあるキッチンに憧れ、2階に広いLDKがある住宅を建てた津波古さん(35)。2階LDKから続くテラスも、アウトドアリビングとして活用。開放的に過ごす。(文/比嘉千賀子・ライター、撮影/比嘉秀明)
津波古さん宅 RC造/自由設計/家族5人

2階のLDK。コンクリート打ち放しの空間に、グレーのキッチン、家具を合わせ、スタイリッシュな印象。正面のテラスが光を取り込み、プライバシーも守る
光と空を感じて
コンクリート打ち放しの空間に、グレーの濃淡で統一された家具やキッチン。スタイリッシュな空間に、温かみのある木のテーブルや引き戸がアクセントを添える。

リビングからキッチンを見る。ダイニングテーブルを横並びで置けることが夫人の希望だった。背面に用意した造作収納と、冷蔵庫を納めたパントリー(写真右手)のおかげで、スッキリ片付く
「実家が打ち放しの造りで、高校生の頃からかっこいいと思っていた。コンクリートなら、年月を経て出てくる汚れさえも味になると感じています」と話す津波古さん。
広いLDKと子ども室が2階にあり、1階に寝室と水回り、収納をまとめたつくり。夫人が家づくりで最も重視したのは明るさで、以前住んでいたアパートでは朝から照明が必要な暗さが悩みだった。
シンクの正面、東側の壁に設けられた大きなはめ殺し窓が、採光と開放感をもたらすカギ。西面には全く窓がなく「完成するまで、本当に明るいのか不安でした。でも、建築士さんを信じて正解でした」と笑う。

キッチンシンクの正面にあるはめ込み窓からの光が室内の明るさを補い、視線も外へ抜けるため開放感も高まる。キッチン脇の木戸の奥は子ども室。キッチンから子どもたちに目が届くのも安心
朝、階段を上りながら見える空と差し込む朝日に、「今日も一日が始まる」とスイッチが入るという夫人。夜は星空を眺めながら1階の寝室へ。自然の移ろいを感じる暮らしを楽しんでいる。

階段は、下段は鉄骨と木で軽やかに。上段はコンクリートでしっかりと。蹴上げ板を抜き、窓からの光を1階に届ける役割も担う
カーテンいらず
3人目が生まれ、アパートが手狭になったことが家づくりのきっかけ。2年がかりで土地を探し、実家から程近い南風原町の分譲地を購入した。
夫人の親戚宅を手掛けた建築士に建築家展で出会い、設計を依頼。「2階リビングの提案が、私たちの理想にドンピシャでした」
リビングから続く半戸外のテラスは、家族のお気に入りの場所だ。道路に面したテラスの壁の高さにこだわったことで、陽光をほどよく取り込みながら、道路からの視線や音は気にならない、プライベート性の高い空間になった。「カーテンも不要です」
テラスでは、子どもたちがシャボン玉やボール遊びをし、プールにバーベキューとアウトドアリビングとして活用する。「実用的ですごく便利。改めて、いい家だなと思います」と、津波古さんは目を細めた。

アウトドアリビングとして大活躍中のテラス。高めにした仕切り壁のおかげで、開放的かつ安心できる空間になっている

脱衣洗濯室から洗面を見る。「娘たちが思春期になると混むと思って、洗面台は広く取りました」と夫人。正面に見えるのは玄関土間と階段
ここがポイント/2階大空間で便利に
敷地は南側が道路に面し、西・北側に隣家がある。隣家との兼ね合いや前面道路の交通量の多さから、安全面とプライバシーの確保が課題だった。
そこで設計を手掛けた小林進一さんは、1階には主寝室や水回り、大容量のファミリークローゼットを配置。面積に制約のない2階にLDKを据え、隣接するテラスを1階より張り出させる「オーバーハング」構造を提案した。「テラスは駐車場の屋根代わりとなり、日差しを遮るだけでなく、雨にぬれずに玄関へ出入りできる実用性も兼ね備えています」と小林さん。

外観。コンクリート打ち放しで、2階が迫り出した造りが特徴。物干しテラスの目隠しに採用した花ブロックが、デザインのアクセントにもなっている
LDKと一体化するアウトドアリビング(テラス)では、コンクリート手すりの高さを緻密に計算。「採光を確保できる限界まで高さを上げることで、道路からの視線や騒音をシャットアウト」。室内からは空と緑だけが目に留まる、開放的なプライベート空間を実現した。
光の採り入れ方も工夫。東側の階段上部に大きなフィックス窓を設け、朝の陽光を家全体に取り込む一方、西側はあえて窓を一切排除。隣家からの視線と西日を効果的に遮った。
また、冷蔵庫を納めたキッチン脇のパントリーの壁は、キッチンとの距離に配慮。アール状に仕上げることで、スムーズな家事動線とデザイン性の両立を図った。

玄関。床と土間はほとんど段差がない造り。引き戸の奥に洗面室があり、ファミリークローゼットまでつながる
DATA
家族構成:夫婦、子ども3人
敷地面積:179.97㎡(約74坪)
1階床面積:55.57㎡(約16.8坪)
2階床面積:80.78㎡(約24.43坪)
建ぺい率:44.89%(許容60%)
容積率:75.76%(許容200%)
用途地域:都市計画区域内 市街化調整区域
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設計:コバヤシ401.Design Room(株) 小林、菊池
構造:コバヤシ401.Design Room(株)
施工:(有)松都建設
電気:(有)中原電設
水道:泉水設備(株)
お問い合わせ
コバヤシ401.Design Room(株)
電話 098(923)4578
https://kobayashi401.com
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」お住まい拝見
第2100号(2026年4月3日発行)より転載