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多様化の取り組みは通所施設にも広がっている。沖縄県浦添市にある「FUJIYA RELIFE」もその一つだ。ジムさながらの設備と雰囲気で、利用者の柔軟性とモチベーションのアップにつなげている。(編集部/徳正美)
多様化する通所施設① デイサービス「FUJIYA RELIFE」
FUJIYA RELIFEは「65歳以上の介護保険認定者と、認定前の事業対象者を受け入れる、フィットネス型デイサービス」と同所の介護福祉士でシニアフィットネストレーナーの田場恵介さん。食事や入浴サービス付きの一般的な通所施設と違い「生活機能改善のための運動に特化し、柔軟性向上に力を入れている」と話す。

左から宇久さん、田場さん、山田さん。トレーニングウェア姿ではつらつと声をかける姿も、スポーツジムさながら
高齢者の運動機能や柔軟性低下のリスクについて作業療法士の山田凌緒斗(りおと)さんは「運動量が減って筋力が落ち体が動かしにくくなると柔軟性も低下。特に股関節や肩周りが硬いと生活に影響が出るだけでなく、フラついた時に足や手が出にくくなって転倒リスクが高まる。外出もおっくうになって社会との関わりが減り、気分の落ち込みややる気の低下につながるだけでなく、見る、聞く、話すなど脳への刺激も減って認知症のリスクも高まる」と説明する。
目指すのは「生活の自立と質の向上」。そのため、一般的なリハビリ用の筋トレ機器だけでなく、ストレッチに特化した6種の機器や、振動する機械上で体を動かし体幹や下半身を強化する機器、つり下げられた2本のバンドを使って体幹や背面を鍛えるプログラムも導入する。

吊り下げられた2本のバンドを使う「TRX」。腹筋したり上半身をひねったりと動きもダイナミック
メニューを組む際は、体力・筋力・体の状態に加え、個々の困りごとや、やりたいことも考慮。介護福祉士の宇久章子さんは「『好きな庭仕事がしたい』なら、しゃがむ・立つがスムーズにできるように、といった具合。自主性を重んじているので強制はしないが、参加したくなる雰囲気づくりには気を配る。出来るようになるとうれしいので皆さん報告してくれる」と話す。

モダンな雰囲気ながら、大きな窓からたっぷりの光が差し込み明るい室内。昼はデイケア、夜は通常のフィットネスジムになるという
若い世代も通いやすく
利用者は43~95歳の112人。うち18人は、脳梗塞などで介護が必要になった64歳以下の特定疾病該当者だ。「働き盛りで要介護になると通常のデイサービスになじめず、リハビリから遠ざかる人も多い」と田場さん。そうした若い世代も通いやすいようこだわるのが「フィットネスジムのような空間」だ。スタイリッシュな内外装や壁一面の大鏡を取り入れ、洋楽にノって運動するのもそのため。利用者の約半数はジム通いの経験者で「なじみがあって通いやすい」と喜ばれている。
定年間近で半身麻痺(まひ)になった末吉清さん(74)は通い始めて1年半。「毎週2回、ここで運動。右手は握れるようになってきた。好きなゴルフをもう一度やるのが目標」と慣れた様子でマシンを動かす。新里ヒロ子さん(78)は「手術した肩を痛めないよう、柔軟性を維持している。運動すると一日が爽やか。ジム気分で運動もおしゃべりも楽しんでいる」と話した。


(左写真)「パワープレート」上で足踏みする利用者。振動する盤上でスクワットや片足立ちなどを行うことで、主に体幹や下半身強化が期待できる。手前から2人目が新里さん、最奥が末吉さん
(右写真)ストレッチする城間得栄さん(72)。「周りを見ていると自分もと希望が持てる。麻痺で動かしづらかった肩の調子も良くなってきた」と笑顔。

コンクリート打ち放しの外観
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」介護と共生の輪(2)
第2106号(2026年5月15日発行)より転載