食とアートが生む触れ合い|介護と共生の輪

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高齢になっても、障がいがあっても、住み慣れた場で暮らし続けたいー。その思いを支える人々や企業、行政の取り組みを紹介する。沖縄県総合福祉センター2階にある「cafeめしギャラリーさまさま」を訪ねた。(編集部/徳正美)

若竹福祉会「cafeめしギャラリー さまさま」

自閉症や知的障がい、ダウン症など、障がいのある人が働く場として13年前にオープンした「さまさま」は、若竹福祉会が運営する社会就労センターの一つ。月~土曜にランチを提供しており、18歳から57歳まで計24人の利用者が、それぞれのペースで週1~5回、働いている。

居心地のいい店内には車いすで利用しやすいカウンター席も。「目も心もおなかも満たされる」と通うリピーターも多い

小鉢が充実した日替わりランチ。同会の農場で育てた野菜もたっぷり

レストランでは、野菜の皮むきや盛り付け、片付けなどの作業を分担して行う。「利用者にはそれぞれ得手、不得手があるが、工夫次第でできることは増える」と、サービス管理責任者の田場理英さん。

例えば「ドレッシングを作ったり、トレーに必要な品をセッティングして注文順に提供したりする作業も、数字を使えば任せられるようになる」といった具合。来店者への挨拶やメンバーへの声かけなど「気づいたことをどんどんやってもらう」ことが、互いに助け合い、生き生きと働ける場につながっているよう。

この日、付け合わせのレタスを準備していたのは島袋まゆみさん(27)。「お客さんが食べているのを見るとうれしい」と笑う。いずれ雇用契約を結んで働けるようステップアップの最中。好きなアスリートを応援しに「中国に旅行する」のが夢だ。

手慣れた様子でレタスをちぎる島袋さん

仕組み・地域づくり目指し

店内にあるアートも、利用者が手がけたもの。壁ではマジムンやウルトラマンのモチーフが独創的な物語を展開、カウンターには愛きょういっぱいのシーサー。販売コーナーにはプロ顔負けの陶器や利用者の絵が描かれたクラフト紙などが並び、ファンも多い。

愛らしい陶器のプレート。池村航さん作

喜舎場盛也さん作のゴブレット

その一つ、コースターなどの裂き織り作品を手がけるのは、手先が器用な安和良竜さん(24)。機織り機に1本ずつ縦糸をセッティングする。支援員の謝花浩代さんは「作る姿を見てもらうことが、彼らを知るきっかけになる。『好きな物が同じで親近感が湧いた』という来店者もいて、創作意欲にもつながっている」と力を込める。見学は月・火曜。

機織り機に向かい、細い縦糸を1本1本器用に取り付ける安和さん

「さまさま」とはインドネシア語で「お互い様」の意味。「障がいがあっても、どっこい生きている。彼らの力を引き出し、地域の一員として笑顔で生きられる仕組みづくり、地域づくりが目標」と同会理事長の村田凉子さん。施設長の島袋孝さんも「知らないことが差別や偏見を生む。まずは食事やアートを楽しみに気軽に来店を」と話した。

マジムンをモチーフにカラフルで独創的な世界観が目を引く亀沢克弥さんの作品が飾られたギャラリースペース

販売コーナー。器や箸など普段使いできる品も多数

笑顔でポーズを決めるスタッフと利用者


毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」介護と共生の輪(1)
第2102号(2026年4月17日発行)より転載