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沖縄県内でシロアリを駆除予防し続けてきた創業68年目の老舗「南陽白蟻(しろあり)工事社」。代表者の小嶺保さん(64)は、「最初は抵抗があった現場が、年齢を重ねるごとに楽しくなってきました」と仕事に対する価値観の変化を語る。(編集部/伊波克朗)
南陽白蟻事社 代表者の小嶺保さん

こみね・たもつ/1962年、那覇市出身。真和志高校卒業。97年に「南陽白蟻工事社」入社。2000年、同社代表に就任。趣味は読書、旅行。モットーは「一棟入魂」。
これまでの歩みは
当社は創業68年目で、父の代からシロアリ防除をしています。継ぐつもりはなかったですが、35歳のころに父から「仕事で必要だから、危険物取扱者の資格を取得してほしい」と頼まれました。それくらいなら、と資格を取ったら、いつの間にか自分も働くことになっていました。今考えると、父にうまく乗せられていましたね。
仕事を始めた当初は、現場で働くことに抵抗がありました。それでは駄目だ、と悩んでいたころに旅行で後楽園(岡山県)に行ったんです。そこで「先憂後楽」という言葉を知り、「人生もこれだ!」と思いました。先に人の何倍も働き、年を取ってから楽をしようと決め、40代は仕事一筋。他社に話を聞きにいったり、現場に同行して作業を見せてもらったりしました。
そのおかげでお客さまからの紹介やリピーターも増え、50代のころには仕事も安定してきました。昔を考えると、夢のようです。現在60歳を越え、そろそろ楽をするつもりだったのに、現場が楽しくなってきまして。後継者への引き継ぎを進めていますが=下記に詳細、現場には行かせてほしいと頼んでいます。

現場の作業員は全員が有資格者。丁寧な作業を心がけている
仕事で心掛けていることは
お客さまに薬剤の効果や業務方法などを丁寧に説明することを意識しています。例えば、当社が使用している薬剤は、有効成分がマイクロカプセル内に包みこまれているので、室内に薬剤が広がりません。納得してもらうことでトラブルを防ぎ、安心安全に作業を進めています。
他にも、畳を取り外す際には、ついでに叩(たた)いて掃除もするようにしているなど、どうすればお客さまに喜んでもらえるかを考えています。40代のころ、あちこち渡り歩いて勉強したことが役にたっていますね。
現場で印象に残った出来事は
娘の中学校のPTAを担当していた時期に、その中学校の卒業生を現場に連れて行きました。床に小さく穴を空けた後、木の釘でふたをする作業にそれまでは木のハンマーを使用していましたが、かなりやりにくい。ですが、その子から「鉄のハンマーなら簡単では」とアドバイスを受け、試してみるとすんなりとできる。誰から仕事を教わるか分からないと思いました。
今後の目標は
この業界は、現場の応援で人員の貸し借りが多く、横のつながりが強いです。私自身も、父だけではなく、他社の方からもたくさん仕事を教えてもらいました。これからは自分が業界の発展のため、後輩に技術や知識を伝えて恩返しをしていければと考えています。
継承を見据えて 娘婿が異業種から転職

現場は小嶺さん(左)と宮城さんを含めた3人で担当している
南陽白蟻工事社は現在、事業継承を進めている。後継者は娘婿の宮城一成さん(41)。元々は介護の仕事をしていたが、一念発起して2021年に入社した。「室内にいるシロアリを見たことがなかった」ほどシロアリとは縁がなかったものの、小嶺さんや小嶺さんの弟から教わりながら、仕事を覚えている。
宮城さんは、「受け継いできたものを守り、業界の認知向上に貢献したい」と今後の目標を話した。
お問い合わせ
南陽白蟻工事社
沖縄県豊見城市真玉橋177-4
電話 098(850)9468
https://nanyo-shiroari.com
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」ひと
第2108号(2026年5月29日発行)より転載