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全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部の山入端学さんが、空き家問題の背景や沖縄の現状、具体的な活用方法を解説。今回は、新たに沖縄市で発足した同協議会沖縄支部の意義や空き家問題解決への連携、今後の展望を説明する。(文/山入端学 全国空き家アドバイザー協議会 沖縄県名護支部 事務局長)
2026年4月21日、(一社)全国空き家アドバイザー協議会沖縄県沖縄支部の設立総会がありました。これまで各地域で個別に取り組まれてきた空き家課題に対し、専門家が連携し、体系的に解決していく体制が北部広域の中核都市である名護市に続き中部広域の中核都市である沖縄市で始動しました。これは単なる士業の集団ではなく、空き家の専門家団体が本格的にスタートしたことを意味する大きな一歩です。

全国空き家アドバイザー協議会沖縄県沖縄支部の設立総会。約30人が出席し、地域課題の解決に向け取り組むことを確認した=26年4月21日、沖縄市商工会議所
全国同様、沖縄県でも、少子高齢化や若年層の流出などにより、空き家は確実に増加しています。さらに離島や人口減少地域では、相続未登記や所有者不明の問題に仏壇・位牌(いはい)・お墓などの問題が複雑に絡み、単に不動産の問題ではなく、地域の存続そのものに関わる大きな課題となっています。
実際、県や市町村では空き家の除却や活用に対する補助制度が設けられていますが、相談体制や専門的支援の不足、相談窓口の設置や現地調査、ワンストップで解決まで伴走できる空き家専門家による実装団体の不足が課題となっています。
「人生の整理」へ支援体制を構築
沖縄支部は、この「制度と現場のギャップ」を埋める存在として設立されました。単なる相談窓口ではなく、宅建士、弁護士、司法書士、行政書士、土地家屋調査士、建築設計士、建築業者、解体業者、終活アドバイザー、経営プランナーなど、多様な角度から空き家課題の専門家が連携し、「相談→整理→意思決定→実行」までをワンストップで支援する体制を構築しております。
空き家問題の本質は、建物の老朽化や流通の停滞だけでありません。根底にあるのは、「家族の意思決定の未整理」です。相続が発生しても話し合いが進まず、放置されるケースは少なくないのです。だからこそ、私たちは「不動産の問題」ではなく「人生の整理の問題」として空き家に向き合う必要があると考えております。

沖縄支部設立総会の出席者ら。前列中央は新垣啓支部長=同日、沖縄市商工会議所
「空き家を生まない」仕組み整える
沖縄支部の活動は、大きく三つの柱で展開していきます。
第一に、「相続機能の強化」です。地域住民や県外在住の所有者に対し、気軽に相談できる窓口を整備し、初期段階での課題整理を徹底します。
第二に、「利活用の実装」です。空き家を単に除却するのではなく、移住・定住促進や地域産業と結びつけた活用モデルを構築。沖縄県内でも、空き家を住宅として再生し移住促進につなげる取り組みが進んでおり、こうした動きをさらに加速させていきます。
第三に、「発生抑制へのアプローチ」である。空き家が発生してから対応するのではなく、相続前・生前の段階からの相談や啓発活動を強化し、「空き家を生まない仕組みづくり」に取り組みます。
沖縄は本土とは異なり、離島構造や強い血縁・地縁関係など、独自の社会背景を持つため、全国一律の解決策ではなく、地域のニーズや特性に合わせた柔軟な対応が求められます。沖縄支部は、地域特性を踏まえた実践モデルを構築し、将来的には、近隣町村を含む中部広域への連携も視野に入れています。
空き家課題は、放置すれば地域の衰退が加速します。しかし、地域のニーズを踏まえ適切に活用すれば、移住促進や関係人口の創出、地域経済の活性化へとつながる可能性を秘めています。
沖縄支部の設立は、単なる団体の立ち上げではありません。「空き家を地域資源へと転換する挑戦」の始まりです。私たちは、行政・地域・専門家が一体となり、沖縄の未来を支える新たな仕組みを創り上げていきます。この一歩が沖縄の持続可能な地域づくりにつながることを強く願っています。そして、沖縄の豊かな未来を願い、県民への周知に向け、問いかけ続けていきます。
「あなたの実家は、次の世代に引き継げる状態でしょうか?」
執筆者プロフィル

やまのは・まなぶ/1969年生まれ、名護市在住。2023年、(一社)全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部を設立し事務局長就任。(同)城コーポレーション代表社員。沖縄県宅地建物取引業協会会員。北部地区宅建業者会副会長
お問い合わせ
全国空き家アドバイザー協議会 沖縄県名護支部
電話 0980(43)1613
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」どうするその空き家 あなたの実家も!?(26)
第2104号(2026年5月1日発行)より転載