進化する福祉機器・用具|介護と共生の輪

軽量化や高機能化が進み、AIやロボット技術との融合で、進化し続ける福祉機器・用具。上手に活用すれば家族や介護従事者の負担が減り、介護される人の生活の質向上にもつながる。

去る2026年7月3日・4日、沖縄県那覇市の県総合福祉センターで「第14回福祉機器展2026」(主催・沖縄県、沖縄県社会福祉協議会)が開催され、ベッドや車いす、排せつ・入浴関連から介護食、歩行支援、介護車輌など54の福祉用具メーカーが出展。専門学校生から福祉事業者、一般県民まで1157人が訪れた。その中から、在宅介護向けを中心に4点を紹介する。

「第14回福祉機器展2026」から

移乗サポートロボット Hug(ハグ) L1-02/寄りかかるだけ 家族の腰痛軽減

株式会社FUJI

株式会社FUJI提供

自力で立ち上がるのが難しい人の「立つ・座る・移動する」動作をボタン一つでサポートする移乗サポートロボット。

2本のアーム=赤丸部=を両脇に挟むようにして寄りかかりボタンを押すだけで、ベッドから車いすなどへの移乗や、立ち姿勢の維持などができる。電動式なので家族など介護者の負担軽減や腰痛予防に。自然な立ち上がり動作で、本人に残った脚力を最大限活用できるよう設計されている。

メーカー担当者は「体を固定するベルト類が不要なので、おしりや太ももを拭くのもラク。今春登場した新モデルは、立ち上がり速度やバッテリー寿命が向上した」とのこと。在宅用は介護保険でレンタル可能。防水タイプや病院施設用もあり。

泡シャワー KINUAMI Care(きぬあみ けあ)/シャワーから湯と濃密泡

株式会社豊通オールライフ

株式会社豊通オールライフ提供

レバー=上写真中央=を操作するだけで、シャワーヘッドから温かい泡が出せる=下写真、介護・医療機関専用の入浴介助製品。

株式会社豊通オールライフ提供

専用のボディーソープによる濃密な泡で体を包み込み、汚れを浮かせて洗い流すのが特徴。手作業での泡立てやこすり洗いをせずに済み、お湯との切り替えもできるため、入浴介助の手間と時間を短縮できる。

「こすらず洗えるので床ずれの方にも安心。県内でも入浴サービスを行っている介護施設に導入され、現場の負担軽減につながっている」と販売代理担当者。介護テクノロジー導入支援事業補助金対象。自治体で要件が異なるため確認を。

移動もできるシャワーチェア ウーゴ君/小回り利く車輪付き浴室いす

ケアメディックス株式会社

座ったままシャワー浴ができ、安全に動かすこともできるキャスター付きシャワーチェア。

一般的なシャワーキャリーと比べコンパクトで、4輪とも360度回転するため、小回りが利くのが特徴。座ったまま浴室内で向きを変えたり、浴室から脱衣室へ移動したりもラクにできる。肌に触れるパットやラバー部分は抗菌・防カビ加工が施されており、座面・背もたれ・アーム部分は取り外して洗えるので衛生的。使用後は折りたたんで収納できる。

メーカー担当者は「介護施設関係者の要望で作った商品だが、小回りが利くため在宅介護で使いたいという購入者が沖縄をはじめ全国的に増えている」と話した。特定福祉用具購入対象。

車いす Modern Rich-style(モダン・リッチ・スタイル)KMD-R12/リクライニング時も体ズレにくく

株式会社カワムラサイクル

リクライニングした際の背中のズレを抑制。座面と背もたれの角度を保ったまま倒す「ティルト」機能と「リクライニング」機能の両方を備えた車いす。

リクライニング時の回転軸を通常より下にずらし、足を置くフットサポートも自動で前に伸びるよう設計することで、背もたれを倒したり起こしたりする際の頭や背中のズレを起こりにくくしているのが特徴。ズレた体を抱え上げて後ろに引き戻さずに済むため、家族や介護従事者の負担を軽減。一般的な車いすより25度深く倒せ、介護される本人もよりラクな姿勢で過ごせる。

座面横のフレームの張り出しも小さく「スライディングボードなどを使ったベッドへの移乗もしやすい」とメーカー担当者。県介護実習・普及センターが運営する福祉用具の展示場=下記に詳細=でも試せる。

福祉用具の展示・見学・在宅介護の相談も

那覇市首里石嶺町の県総合福祉センター東館1階にある県介護実習・普及センターが運営する展示場では、福祉用具を見て試したり、専門スタッフに在宅介護の相談もできる。10人以上は要予約。
月曜〜金曜の午前9時〜午後5時オープン。電話 098(882)1484。


取材/徳正美
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」
第2115号(2026年7月17日発行)より転載