感謝の言葉を励みに30年 互いに技術を高め、質の向上を|ひと

株式会社ファーブル 専務取締役の山田正人さん

沖縄県沖縄市でシロアリ駆除の専門店を経営する「株式会社ファーブル」。専務取締役の山田正人さん(63)は「仕事を続けてこられたのは、感謝の言葉をかけてくれたお客さまのおかげです」とシロアリ防除業を続けた30年間を振り返る。

やまだ・まさと/1963年、与那国町出身。琉球大学中退。(株)ファーブルに入社後、2002年にしろあり防除施工士取得、25年に日本しろあり対策協会沖縄支部理事に就任した。趣味は囲碁、童謡、合唱。

シロアリ防除業務を始めたきっかけは?

もともとは道路工事や土地区画整理などのアルバイトをしていました。シロアリ防除の仕事も、最初はそのうちの一つとして手伝ったのが始めたきっかけ。当時、1人で会社を切り盛りしていた社長の岸本の下で施工に入りました。施工後、お客さまから「ありがとう。これで安心して眠れる」と声をかけてもらったんです。自分の作業でここまで喜んでもらえるなんて、いい仕事だなと思いましたね。それ以来、ときどき手伝うようになりました。

ある日、岸本から「ちょっと仕事を手伝ってもらえないか」と声をかけられ、それから約30年、この仕事を続けています。当初は1カ月に2件ほどしか依頼がなく、収入は2人とも月7万円ほど。依頼がない日は、別の仕事もしながら生活していました。大変ではありましたが、苦労を楽しんでいたので、つらくはなかったです。何よりお客さまが喜んでくれることが励みになりました。この仕事を続けてこられた理由は、それ以外思いつかないです。

心掛けていることは?

シロアリ防除の作業だけで終わらせず、どうすればよりお客さまに喜んでもらえるかを考えるようにしています。例えば、家の周りの雑草を刈ったり、排水まわりの詰まりに気付けば簡単に直せる範囲で対応したり。大きなコストがかからない作業であれば、追加料金はいただいていません。「ありがとう」と言ってもらえる方が、何倍も価値があると思っています。

もう一つ大切にしているのは、施工後も責任を持つことです。一定の確率で被害が再び確認される場合がありますが、そのときはシロアリがいなくなるまで必ず対応します。最後まで向き合うことが、お客さまとの信頼関係につながると考えています。他にも、季節のあいさつや近況を伝える「やまちゃんタイムス」を15年ほど発行。点検の際などに手渡しています。話しかけやすい関係を築くことも、この仕事では大切です。

毎月1350部発行している「やまちゃんタイムス」

仕事のやりがいは?

一番やりがいを感じるのは、お客さまから「あなたたちに任せて良かった」と言ってもらえたときです。期待を裏切ってはいけないという責任感が生まれ、作業にも一層力が入りますね。

今後の目標は?

同業者同士でも良い情報があれば秘密にするのではなく共有し、互いに技術を高め合いたいです。それが県内のシロアリ防除業界全体の質の向上につながり、お客さまのためになると考えています。

人や環境に優しい駆除 ベイト工法を推奨

敷地の周囲3メートルおきにステーションを設置し、シロアリを発見したら駆除剤を入れる(株式会社ファーブル提供)

シロアリ防除の代表的な工法には、薬剤を散布する「バリア工法」と、駆除剤を混ぜたエサを持ち帰らせて巣ごと全滅させる「ベイト工法」がある。どちらにもメリット・デメリットはあるが「当社では安全性が高く、しっかり駆除できるベイト工法を勧めています」と山田さんは話す。

定期的な確認作業が必要で時間とコストがかかるものの、薬剤使用量はバリア工法の数千分の1に抑えられる。山田さんは「人や動物、環境に優しく、巣ごと駆除ができます」と説明した。

お問い合わせ

株式会社ファーブル
沖縄県沖縄市海邦1-19-37
電話 0120(35)4966
ホームページ https://1shiroari.com/

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取材/伊波克朗
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」ひと
第2115号(2026年7月17日発行)より転載