花咲くように喜びあふれる|アートを持ち帰ろう

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今年も春を迎えた。いろんな花が街をカラフルにしている。日差しを受けて散歩に出かけたくなるし、展覧会やギャラリーでアートを楽しむのにピッタリな季節だ。(文/本村ひろみ)

同じ惑星で生きているものたちを描く

「やんばるの森」200センチ×140センチ

アーティスト・松崎里織の作品に出合ったとき、春の香りがした。作品「When the World Awakens in Bloom(世界が花と共に目覚めるとき)」は、宇宙を背景に蓮(はす)の花に囲まれて夢想する少女が描かれている。ロマンチックな作品だ。彼女はこの作品のコンセプトを「世界がもっと温かく、生命力に満ち、花が咲くように喜びがあふれていく。そんな目覚めの瞬間への願いを込めて描きました」と語っている。

前回の2人展「Flower,Plants,Planet」でも、「私たちは花や植物を1番最初に描きたくなる。いつも身近に、鮮やかに、ゆらゆらと。話すことはできないけれど、同じ惑星に生きていて、そして静かに、私たちに描かれてくれる」と記し、共に生きているものたちへ柔らかいまなざしを向けている。

「蓮根烏賊(はすねいか)」1000ミリ×803ミリ

「琉球雲花図」1000ミリ×803ミリ

等しく、いとおしい

松崎は星空の聖地と言われている愛知県の奥三河・設楽町出身。幼いころから田んぼでカエルやヘビを捕まえ、川で魚を釣り、山で鹿を追いかけて遊んでいたそうだ。農業や林業に携わっていた両親の影響で動植物や木々も身近な存在だったという。北海道のおといねっぷ美術工芸高校で木工芸を学び、沖縄県立芸術大学大学院の環境造形専攻絵画専修で修士を修めた。

現在の興味は地元のケモノ道に生えている苔(こけ)。海の世界と森の小さな苔を同じ画面に描いてみたいという。生き物を等しくいとおしく見つめる彼女の世界は、美しく輝いている。

「大胡蝶(こちょう)の小人」227ミリ×158ミリ

「クラゲの夢」180ミリ×140ミリ

作家近況

松崎里織(まつざき・りお)
2026年8月22日~30日、愛知県長久手市「Café Gallery 陶片木」で個展開催
今秋(11月頃)KIYOKAWA GALLERYで、グループ展DOTS3に参加
詳しい情報はインスタグラムで。
https://www.instagram.com/matsurioii7

執筆者プロフィル

もとむら・ひろみ/那覇市出身。清泉女子大学卒業。沖縄県立芸術大学造形芸術研究科修了。ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2」「還暦ラジオ」でパーソナリティーを務める


毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」アートを持ち帰ろう(60)
第2103号(2026年4月24日発行)より転載