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水辺の風景を描いた絵が好きだ。移ろう光、さざめき、波打ち際、砂浜で遊ぶ人々、潮の香り、透明な空気、広がる空、雲の形や色で感じる湿度。眺めていると絵の中にいるような気持ちになる。(文/本村ひろみ)
四季をノスタルジックに表現

「六月の絵」912ミリ×1168ミリ
画家・當眞志帆子の「六月の絵」の舞台は北谷のサンセットビーチ。彼女の視線は目の前に横たわる青いシャツを着た男性と遠くのパラソルの人々に注がれている。焼けた砂浜。熱せられた海の匂い。私の記憶の遠い夏の日もよみがえる。この絵について聞くと「サンセットビーチで、そのまま空を見て寝落ちしそうになったのですが、目を閉じると甘い香りがしました。欧米発のショップにしかないボディークリームや香水、柔軟剤の香りでした。目を瞑(つむ)っていると、寝落ち前に見ていた空のイメージがポップな感じになり、空はあの平面な表現になりました」と語った。ピンク色に塗られた上部と丸の中の雲は独創的で画面をリズミカルにしている。

「秋の絵」1300ミリ×1620ミリ
絵の具を落としていく
琉球石灰岩や岩絵の具、水干絵の具を使用し「絵の具をのせることで描くのではなく、水で拭ったり、擦ったりして絵の表情を作っていきます。足していくというより、落としていく作業で、その過程で“さらさら”“ざらざら”“ぴかぴか”というさまざまな質感を手で感じることができるんです」と制作について話してくれた。
季節をテーマに描いている當眞。今後は沖縄のビーチの同じ場所で、変化する四季の光の連作を描いて欲しい。彼女のノスタルジックな画風で海の一瞬の輝きを見ていたい。

「二月の絵」1168ミリ×912ミリ

「春の絵」225ミリ×150ミリ
執筆者プロフィル

もとむら・ひろみ/那覇市出身。清泉女子大学卒業。沖縄県立芸術大学造形芸術研究科修了。ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2」「還暦ラジオ」でパーソナリティーを務める
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」アートを持ち帰ろう(61)
第2107号(2026年5月22日発行)より転載