古い物件でも得?|中古もイイね[4]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

リノベーション

リノベ

2015年2月6日更新

古い物件でも得?|中古もイイね[4]

建物の築年数は、物件を選ぶポイントになる。新しさにとらわれがちだが、鉄筋コンクリート(RC)造で築25年以上の建物の場合、耐震性適合証明書を手に入れられれば、住宅ローン控除が受けられる。その仕組みを利用した那覇市のSさん(41)は「固定資産税やローンの支払いに充てていて、助かっている。使わない手はない」と話す。

「耐震証明書でローン控除」

Sさん(41)固定資産税にも充当

 
Sさんが購入した住宅は、築32年のRC造、平屋建て(敷地54.5坪、建物26坪)。2010年に購入し、室内を自分たちの生活スタイルに合うようリフォームした。

物件の購入と改装費、諸費用で3500万円掛かった。資金は頭金500万円と、住宅ローン3000万円を借り入れて工面した。
 
無理のない資金計画のため、購入時にこだわったのが住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の利用だった。ローン残高の1%が10年間、所得税から控除される制度だ。
 
控除額は少なくとも年間約16万円、購入から4年間で約64万円になると、Sさんは見る。控除分は、年間10数万円になる固定資産税の支払い、年間20数万円になるローンのボーナス返済の一部に充てている。「だいぶ助かっている。使わない手はない」と実感を込める。
 
Sさん宅は本来、ローン控除のRC造での要件である築25年以内を超えているため対象外。そこで、築25年以上の住宅での要件で、現在の耐震基準相当であることを示す「耐震基準適合証明書」を売主の協力を得て購入前に入手した。「建物の安全性の証しにもなる」。
 
現在の基準が適用された1981年6月以前に建てられた住宅だったため、入手は困難が予想された。幸い、設計図書が残っていたことや、躯体の状態が良かったこと、証明書を発行する建築士との出会いがあり、入手にこぎつけた。発行費用20数万円をSさんが負担した。
 
購入に当たり、建築や税金など、自分で調べられるだけ調べたという。「中古でも、一生に一度のマイホームには変わりない。手間を惜しまないことが大切だと思う」とアドバイスした。


リフォーム後のLDKでくつろぐSさん家族。「家族団らんの場を大切にしたい」と、明るく広く変えてもらった


リフォーム前のダイニング・キッチン、和室。細かく仕切られていて、室内は暗かった(エバデザイン提供)


 

「登録免許税は税率軽減」

証明書で受けられるメリット

築25年以上になる鉄筋コンクリート造の、分譲マンションや一戸建てでは、一定の要件を満たせば、住宅ローン控除以外にも、税制面で優遇措置が受けられる場合がある。要件など詳しくは( )の機関に問い合わせを。

①登録免許税の税率軽減(市町村)
 所有権の移転登記では税率が2.0%から0.3%に。抵当権設定登記では0.4%から0.1%に。

②不動産取得税の軽減(県税事務所)
 土地は4万5千円以上軽減。建物は建築年による特例。1982年1月1日以降の新築であれば不要

③固定資産税の軽減(市町村)
 耐震改修工事を行う場合は、最大で1年間2分の1に。そのほか、地震保険料を10%割引(保険会社)などがある。


物件探しや改装に対応|中古もイイね[5]

買いたいお家の健康状態をセルフチェック|中古もイイね[3]
 


編 集/我那覇宗貴
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「中古もイイね<4>」第1518号・2015年2月6日紙面から掲載

リノベ

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2122

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る