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2022年1月28日更新

[沖縄・マンション売買]case31「騒音トラブル抱えた売却」

コロナウイルスの影響により、自宅で過ごす時間が多くなりました。そのため、マンション内で他世帯の生活音に対して過敏になることも増えているようです。避けては通れない騒音問題、どう対応したらいいでしょうか。
文・友利真由美

◆相談内容◆

下の階の住民から身に覚えのない騒音のクレームが来て困っています。度重なるクレームで恐怖やストレスを感じるほどで、マンションを売却して引っ越すことも検討しています。
 

未解決なら価格に影響

騒音元は特定しにくい
マンションは一つの建物に複数世帯が暮らす共同住宅。だからこそ近隣に配慮したり、「お互いさま」と譲り合う気持ちが必要です。

管理会社に寄せられる意見で多いのが、他世帯からの「騒音」に関するもの。しかし、一般的な生活音なのか、度を越した騒音なのか、判断するのはとても難しいものです。

また、騒音元が上の世帯からだと思い込みがちですが、実際には斜め上や隣の世帯からの騒音が響いていることも多く、どこからの騒音なのか特定するのもとても困難です。

相談者は、身に覚えのない時間帯の騒音に対し、下の階の住民から昼夜問わず威圧的な態度で直接来訪され、苦情を受けていました。それにより相談者は苦痛やストレスを感じ、管理会社へ対応を依頼。しかし事態は改善されず、途方に暮れて、売却するしかないと考えているようです。このような状況で売却すると、どのような弊害があるのでしょうか。


売却時はトラブルも明記
売却の際、宅建士は、物件調査や売り主へのヒアリングをもとに、重要事項説明書や物件状況確認書を作成します。その中で近隣トラブルの有無や内容についても記載する項目があるので、今回の騒音トラブルが解決済みでも未解決でも明記しなければなりません。

購入希望者からすると、トラブルがあるマンションの購入はちゅうちょしてしまうもの。そうなると価格を下げざるを得ず、理想的な売却は厳しくなります。だからといって故意にこのトラブルを告げなかった場合、告知義務違反となり、売却後に買い主から補修請求や減額請求、契約解除、損害賠償請求をされる可能性があります。


まずは管理会社に相談を
このように、今回のトラブルは売却にとっても大きなマイナス要因となります。ではこのトラブルを解決し、マイナス要因を取り除くためにどのようにしたらいいのでしょう。

まずは管理会社へしっかり対応してもらいましょう。直接の来訪やクレーム内容など日時も含めてしっかり記録し、その都度管理会社へ報告。対応と調査を促してください。

それでも対応が不十分であれば管理会社に対し、「弁護士に相談し法的措置も含めての対応を検討していること」「身の危険を回避するため引っ越しを検討しているのでその費用負担を求めること」も伝え、対応を強く呼びかけてください。その上で状況が改善されなければ弁護士に相談し、民事的な解決へと移行していきましょう。

クレームの内容や言動が威圧的である、または身の危険を感じる場合は対面せずに警察に通報を。その際には身に覚えのないクレームであることもしっかり伝えましょう。

生活する上で身の危険やストレスを感じるなら、一時的な引っ越しや、不利な条件を覚悟した上での売却も検討してください。大事なのはあなたや家族の安全と、ストレスなく生活すること。専門家の力を借りながら対応していきましょう。


 友利の結論 
・マンションは共同住宅。相互配慮とお互いさまの気持ちが大事
・騒音は上からだけでなく斜め上や隣からも響く
・トラブル未解決の売却は売り主にとって不利に
・管理会社の対応を促し、警察への通報や弁護士への相談も行いましょう


ともり・まゆみ
(株)エレファントライフ代表。不動産専門ファイナンシャルプランナーとしてマンションの売却や不動産相続の相談に応じている。生粋のマンション好き。 電話098・988・8247


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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1882号・2022年1月27日紙面から掲載

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