競売よりメリット多い「任意売却」が活発 2015年県内の不動産競売件数は過去最少|気になるコト調べます!⑪|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

家づくりのこと

住まいに関するQ&A

2016年11月25日更新

競売よりメリット多い「任意売却」が活発 2015年県内の不動産競売件数は過去最少|気になるコト調べます!⑪

ことし3月に発表された2015年の県内の不動産競売件数は244件(那覇地裁管内)で、調査を開始した1993年以降でもっとも少なかった。減少している要因の一つは、債務者が自分の意思で不動産を売却する「任意売却」の増加だ。15年以上前から任意売却に取り組む「とまとハウジング」の代表取締役・川端ゆかりさんは、「最近では、リストラや離婚などローンの支払いが滞りそうな段階で相談に来る人も増えた」と話す。川端さんに任意売却について聞いた。

市場価格で早期売却が可能

 精神面も金銭面も負担減る 
競売の件数は全国的に減少してきている。県内の競売件数も減少しており、2015年は1993年の調査以来、最少となった(下表)。

一方で、「任意売却の相談は、昨年あたりから増えてきている」と川端さんは話す。
競売は、債権者(金融機関や保証会社など)主導で不動産の売買が行われるが、任意売却は競売になる前に債権者の同意を得て、債務者が自主的に不動産を売却する。競売は、内覧できないなど買い主のリスクが高い分、売却価格は市場の7~9割になるという。「任意売却では市場価格、またはそれに近い金額で取引できる。また、私たちのような不動産のプロが販売活動をするので早期に売買できる」。
自分の意思で売却するのと、強制的に退去させられるのでは、精神面でも大きな差がある。「任意売却の一番のメリットは、精神的にも金額的にも負担が少なくなる点」と力を込める。
川端さんは15年以上、コツコツと任意売却に取り組み続け、県内での認知度の高まりを実感している。「沖縄は、競売の取り下げが多い。任意売却のことを知って慌てて相談に来る方もいる」と話す。また、最近は県内の不動産の価格高騰が影響し、「那覇市の中心部に近い物件や、海が見える高台の物件などは、任意売却によって残債務なく、完済できるケースも増えている」。
だが、どの不動産業者でも任意売却ができるわけではない。「金融機関との調整、相談は必須。任意売却の専門スキルのある業者に相談してください」とアドバイスした。 

 任意売却とは 
住宅ローンなどの借入金が支払えなくなった場合、債権者の合意のもとで、債務者の意思に基づいて財産を売却する
【売却価格】市場価格、またはそれに近い価格
【残 債 務】任売に携わった専門スタッフと一緒に債権 者と調整し、分割などの方法で返済する

 競売とは 
債務者が住宅ローンなど借入金の返済ができなくなった場合、債権者が裁判所に申し立てて財産を強制的に売却し、債務を回収する
【売却価格】市場価格の7~9割。さらに低額の場合も
【残 債 務】強制的に支払いを迫られる場合もある。 債務者自ら債権者と交渉する



とまとハウジング(浦添市伊祖3-2-1)は、川端代表をはじめ、任意売却エージェントなどの資格を持つ専門スタッフが在籍する「任意売却24h 沖縄相談室」を開設。無料で相談に応じる。問い合わせは( 0120-428-128 )


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1612号・2016年11月25日紙面から掲載

住まいに関するQ&A

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

スタッフ
東江菜穂

これまでに書いた記事:338

編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

TOPへ戻る