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2021年8月6日更新

沖縄|【ひと】地域資源を生かし活動|銘苅 全郎さん、嘉陽 由美子さん、小笹 睦美さん|港川自治会

約2千世帯が暮らし、急激に都市化する浦添市港川。里浜など地域資源を生かした活動を行う港川自治会の銘苅全郎会長、書記会計の嘉陽由美子さん、評議員の小笹睦美さんは「日常的で継続した活動を通して共感を広げ、地域力につなげたい」と語る。

「共感」を地域の力に



銘苅 全郎 さん  
港川自治会会長(中央)

嘉陽 由美子 さん(左)
同自治会書記会計

小笹 睦美 さん(右)
同自治会評議員



-自治会活動への思いとは?

銘苅 急激な都市化に伴い変化する地域課題に、自治会活動も旧態依然とせず対応していく必要がある。大切なのは地域づくりと人材づくり。港川に暮らす人々が交流し、互いに顔見知りで孤立する人がいないこと、次世代に向けた人材育成が大事です。

港川の人口は公民館だけで活動するには多過ぎる。そこで地域資源を生かした地域づくりを提案。共感した人々が小学校と連携し、人と自然が共生する里浜を生かした活動=左囲み=や学習会を重ねてきました。その結果、子供たちの中に、地域の自然を未来につなぐ心が育まれています。

嘉陽 会長は常々、話し合いが自分の仕事だと言っています。あとは共感した人々で動く。これからの自治会活動に大切なことだと思います。実際、単発的なイベントばかりだった以前と比べ、通年継続の活動に共感し一緒に取り組む人が増えています。


-住民の変化について。

嘉陽 声を掛ければすぐ集まるなど、協力関係も築けました。高齢者への弁当配布や公民館で教室がある日など、毎週100食以上の食事を用意するのも、毎回10人ほど集まってくれます。

小笹 会長にはいつも「どう思う?」と聞かれるんです。「これやろう」ではない。自分で考えているうちに、自分ができることが見つかる。

放課後子ども教室や学校連携を通した活動でも、多くの役割を担っています。活動から人がつながり、居場所になり、役目ができて生きがいを感じています。

 

-今後の目標は?
銘苅 港川に住む人が港川を「ふるさと」と思えるよう、地域資源を生かした活動で共感を広げ、育てていきたい。


浦添の里浜を残したい
ステッカーで周知活動

開発が進む浦添西海岸。中でも「カーミージー」と呼ばれる場所は地域の人々に昔から親しまれてきた里浜だ。

港川自治会は小学校と連携し、子どもたちの総合学習として「カーミージー観察会」「カヌー体験」「アーサ採り体験」など、海の豊かさを体験する機会を提供している。

また、里浜の存在を広く知ってもらい、保全につなげようと、「つなごう未来へ うらそえの里浜」のキャッチコピーでステッカーを作製。小学1年から自治会の里浜活動に参加してきた知念愛美さん(高校1年)がデザインを担当した。銘苅会長は「17年続く里浜活動で海を大切にする心が育っている」と目を細めた。


里浜活動の様子

里浜保全を訴えるステッカー



〈プロフィル〉
◆めかる・ぜんろう(中央) 1942年、浦添市港川出身。68年、沖縄タイムス社編集局記者として入社。2002年、定年退職。03年、港川自治会長就任。
◆かよう・ゆみこ(左) 1953年、浦添市出身。99年より港川自治会書記・会計担当。
◆おざさ・むつみ(右) 1969年、大分県出身。2003年より港川に居住。同自治会評議員。
◆港川自治会 浦添市港川326  電話098・876・5855


第1857号・2021年8月6日紙面から掲載

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