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2021年4月2日更新

【自分でつくる庭】漂着物が鉢に変身 アイデア満載の庭

vol.14 このコーナーでは、施主自ら楽しみながら作った庭を紹介する。今帰仁村の城間泰昭さん(65)の庭は、まるで園芸店のようにずらりと鉢植えが並ぶ。

拾った浮具やヤシの実を加工 オープンガーデンが励みに
城間泰昭さんの庭(今帰仁村)


城間さん宅の主庭。浮具やヤシの実などで作った鉢の中に、松江さんが寄せ植えした多肉植物などが葉を広げる。園芸店のように見えるのは、どの植物もイキイキしているから。「鉢は水はけを重視して作っている」



夫婦の合作 鉢植えイキイキ

今帰仁村の城間泰昭さん(65)の庭は、まるで園芸店のようにずらりと鉢植えが並ぶ。

花々が目を楽しませてくれるほか、多肉植物の寄せ植えも見事。妻の松江さん(70)のセンスが光る。 その土台となる鉢は、城間さんのお手製。「海辺の清掃がてら」拾った浮具やヤシの実を加工して作った。「作り始めたのは7~8年前。落ちていた浮具を何かに使えないかなと思って鉢にしてみた。でも最初は、水はけが悪くて植物を根腐れさせてしまった」

試行錯誤を重ね、穴の数や大きさを調整。「さらに土の表面に軽石を敷いて水はけを良くしたら、植物も元気になった。水はけが良い分、まめに水をあげる必要があるけどね」。改良と愛情により、イキイキとした庭となっている。

地植えよりも鉢植えが多いのは昨年、引っ越してきたばかりだから。「地植えの植物は持ってこられなかったけど、鉢植えは妻と2人でほとんど持ってきた。ここは敷地も広いからのびのびと置ける」


要望が多かったことから、お手製の鉢の販売もしている


注文殺到で「うれしい」

村商工会からの熱烈なラブコールを受け、3月に開かれた「第4回今帰仁オープンガーデン」に初参加した。「趣味でやっているだけの庭なので断ろうと思っていた。でも参加して、正解だった」と話す。多くの来場者から「お褒めの言葉をいただき、励みになった。鉢植えを売ってほしいという人も多くて結構、売れました」

要望を受け、お手製の鉢の販売コーナーも設けた。次々と売れて、「今は注文の鉢を作っている。イベント中より忙しい」と苦笑する。

漂流物を鉢にするのは、とても手がかかる。プラスチック製の浮具は「電動カッターで切っても、発生した熱でまたくっついてしまう。ドライバーでゆっくり剥がしながら加工していく」。また、浮具は硬くて「三つくらい作ると、のこぎりの刃が駄目になる」

ヤシの実も「内側はすごく硬い。作るのは大変だけど、喜んでもらえるから」と手を動かす。

来年もオープンガーデンに参加すべく、すでに構想を膨らませている。「裏庭一面にベゴニアを咲かせたい」。反響を糧に、ガーデニングに精を出す。
  
      

裏庭にも鉢植えがずらり。「総数は分からない。挿し木などでどんどん増やしている」


海辺で拾ったヤシの実をカットして鉢植えにした。「中央部はものすごく堅くて加工は大変」と城間さん
      

城間さんが浮具で作った花形の鉢に妻の松江さんが多肉植物を寄せ植えした。鉢も植物もにぎやかで目を引く
 

裏庭の一角にある花の小道は、ことし3月に開かれたオープンガーデンに参加するために作った。「少しでも見どころを増やして、来る方に喜んでもらいたかった」と城間さん
 

浮具を加工する城間さん

 

加工前の浮具。きれいに洗ってカットし、色を付けると鉢に生まれ変わる


編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1839号・2021年4月3日紙面から掲載

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東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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