洗練空間でくつろぐ 住宅地の平屋コートハウス|お住まい拝見

読了時間 約5分

浦添市の住宅地にあるGさん(52)宅は、外からの視線を気にせず過ごせる平屋のコートハウス。テラスとつながるLDKは、夫妻のこだわりを詰め込んだ家族が楽しむ空間だ。(文/比嘉千賀子・ライター、撮影/比嘉秀明)

Gさん宅 RC造/自由設計/家族6人

テラスに面したLDK。白を基調に、キッチンや家具、収納、照明、音響にも夫婦でこだわり、洗練した空間にしつらえた。壁や天井を照らす間接照明が柔らかな雰囲気を添える

つながり育む

青空に映える真っ白な平屋。「コンクリート造だから夏は暑いと思ったけど、思いのほか涼しい。機密性が高くて驚きました」とGさん。テラスに面したLDKは、高窓と掃き出し窓から陽光が注ぐ、明るく洗練された空間だ。天井には、Gさんこだわりのスピーカーを設置。プロジェクタースクリーンで映像を楽しむ。「昼はカフェ、夜はスポーツバーです」と夫人(42)は笑う。

和室との間仕切りになっているプロジェクタースクリーンを下ろした状態。向かいにある壁面収納に収められたプロジェクターで、画像を投影する。リビングが迫力満点のシアタールームに早変わり

ダイニングテーブルを一体化したキッチンは、夫人のお気に入り。「重厚感を出したくて、インスタを参考に天板の石目と厚みを検討。出来上がるまで心配でしたが、思い通りに仕上がりました」。キッチンから見渡せるテラスも、家族でフル活用。野球に打ち込む長男(16)と次男(15)は練習に励み、長女(7)と三男(4)は、プール遊びや鬼ごっこを楽しむ。

キッチンからテラスまで見渡せる。天板の厚さ、石目にこだわった重厚感のあるキッチンは、夫人のお気に入り。ダイニングの奥に和室があり、その左隣の引き戸の先に納戸、水回りと続く

生活感が出ないようにと、収納も多めに造作。LDKから納戸を通って、水回りへと回遊できる造りは「家事が楽なのはもちろん、子どもたちには迷路のようで、遊びに来たいとこたちも一緒になって駆け回っています」。

広々とした洗面室。その奥にランドリールーム、納戸が続く。来客時は引き戸を閉めて奥の部屋は目隠し

気兼ねなく行き来

夫人の実家近くの土地を、親戚から購入できたことが家づくりのきっかけ。近所で先に新築した妹の家を手がけた建築士事務所に、設計を依頼した。「細かな要望にも丁寧に対応し、工夫して造ってくれて。希望はほぼ全てかなった」とGさん。自分のためのスペースとして、ウオークインクローゼットの一角に追加でカウンターを設けてもらい、書斎として活用する。「狭さが集中するのにちょうどいい」

近所で暮らすきょうだいも、家族ぐるみで行き来するのが日常。「テラスでバーベキューや、クリスマスイルミネーションも楽しみたい」とGさん。家はいつでもにぎやかだ。

壁高2.8メートル、タイル張りになったテラス。遊び心で壁に埋め込んだライン照明が、日暮れとともに明るさを増し、ムーディーな雰囲気を演出する

玄関。テラスに面した造り付けのベンチがあり、その向かいには大容量のシューズクローゼット。正面の飾り床は、裏側の和室にある仏壇の下部を生かして設けた

ここがポイント/兼ねる&回遊で快適

敷地は北側に前面道路、ほか3方には隣家が近接する。設計を手がけた野里雅樹さん、美幸さんは「外部からの見えづらさに加え、家族6人の暮らしに必要な空間を、無駄なく配置することを重視した」と話す。

提案したのは、北側に配したテラスとLDKが開放的につながるコートハウス。LDKは天井高を上げ、高窓からも光を取り込む。一方テラスは、壁にライン照明を埋め込み、夜の楽しみを演出する。

玄関を入って東側にLDK、西側に水回りと、公私の空間をきっちり分けながらも「回遊できる造りにし、家事効率と暮らしやすさを高めました」。寝室と子ども室は、プライベート性を重視。最も奥まった南側にまとめた。

LDK脇の和室には、空間を無駄なく生かす工夫が満載だ。LDKとの間仕切りには、Gさんの希望で電動昇降式のプロジェクタースクリーンを採用。LDK上部の造作棚に据えたプロジェクターで映像を投映する。また、つり収納内に造作した仏壇は、両側に収まる引き込み戸を閉めると存在に気づかない。仏壇の奥行きを生かし、下部の飾り床は裏手にあたる玄関側にも同様のスペースを設けた。

和室。つり収納内に設けた仏壇は、引き込み戸を閉めると収納と一体化。下部は飾り床。リビングとの境目上部には、プロジェクタースクリーンが収まっている

収納の工夫にも注目。LDK上部の壁面収納はルーバー扉にして、エアコンやプロジェクターを隠して収めている。キッチンの背面収納は家電だけでなく、ペーパー類まで表に見せずに使えるよう造作。寝室横のウオークインクローゼットにはカウンターを設け、Gさんの書斎を兼ねる。

納戸は、子どもたちの衣服を中心に収納。オープン棚に、収納ケースを組み合わせて活用

子ども室。パーティションで仕切って2部屋として活用

白壁が目をひく外観。中央に設けた玄関を目隠ししているグレーの壁が、デザインのアクセントにもなっている

DATA

家族構成:夫婦、子ども4人
敷地面積:242.78㎡(約73.44坪)
1階床面積:118.60㎡(約35.87坪)
建ぺい率:49.83%(許容50%)
容積率:42.73%(許容100%)
用途地域:第1種低層住居専用地域
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設計:(株)スリールデザイン 野里雅樹、野里美幸
構造:与儀建築工房
施工:12社による分離発注
キッチン:(株)モーリショップCUCINA

お問い合わせ

(株)スリールデザイン
電話 098(975)8924
https://www.souriredesign.net/


毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」お住まい拝見
第2123号(2026年9月11日発行)より転載