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沖縄県内最大規模の賃貸物件管理戸数を抱える中部興産のグループ会社・興産アメニティは、高齢者の物件探しをサポートする「R65不動産沖縄」事業を行っている。同事業を担当する久田尚志さんが県内の現状や課題について執筆する。(文/久田尚志 興産アメニティ株式会社「R65不動産沖縄」担当)
特殊清掃会社が語る現状
「こちらに引っ越してこられたんですか」。現場で作業をしていると、近所の方からそう声をかけられるそうです。「いえ、片付けているんですよ」と答えると、「そこ、人が住んでいたんですね」と返ってくる。浦添市で特殊清掃や遺品整理を手がける(株)office双葉(比嘉計代表取締役)は、年間160件超の特殊清掃の現場に入っています。「見守り以前に、そこに人がいることを周りが知らないんです」と比嘉さん。地域とのつながりの薄さに危機感を感じているそうです。
同社は2026年6月、県居住支援協議会の「あんしん賃貸支援団体」に登録し、亡くなった後の片付けに加え、今住んでいる方の部屋を整える「環境改善相談」にも取り組んでいます。きっかけは、社会福祉協議会から続く相談。部屋がごみで埋まりヘルパーが入れない、ハウスクリーニングの業者には断られる。そんな部屋に比嘉さんは無料で出向き、入居者と1時間ほど一緒に片付けます。床が見えるようになると、本人も前向きになり、部屋全体の片付けにつながることもあるそうです。
比嘉さんによると、ごみはまずベランダにたまり始め、塀の高さを超えて外から見えるようになる。すると浴室やトイレへ、やがて部屋の中へと広がっていくそうです。訪問などを拒み、中が見えにくい場合、ベランダが異変に気づくための手がかりになります。

孤独死リスクへの対策
孤独死は発見が遅れると、負担は一気にふくれあがります。目安は「60時間」。亡くなってから2日半ほどで見つかれば、夏場でも特殊清掃は比較的軽く済むことが多いそうです。それでも片付けと特殊清掃には、ワンルームでも最低20万円ほどかかるそうです。床まで傷めば100万円以上かかることもあります。費用を誰が負担するのかをめぐって、オーナーと亡くなった方の親族がもめることも少なくありません。
さらに深刻なのは、その後です。孤独死が起き、多額の修繕費を前にしたオーナーが「もう二度と貸さない」とてしまう。それは、次に住めたはずの誰かの住まいを失わせることになります。
弊社では、早く異変に気づく対策と、万が一に備える仕組みづくりに取り組んでいます。水道の使用量を毎日確認し、水が使われない状態が続くと通知が届く仕組みを提供しているほか、2026年8月からは居住支援法人として、残置物処理などの委任契約に対応できるようになりました。本人が元気なうちに、亡くなった後の賃貸借契約の終了手続きや家財の扱いを決めておくものです。契約や手続きの備えと、実際に部屋を整える現場の専門家。その両方があってこそ、住まいを次の方へつなぐことができます。
早く気づける地域をつくること。そして、気づけなかったときにも住まいを次へつなげられるよう備えること。その両方を、一緒に考えていけたらと思います。
11月10日、北谷町で「県居住支援シンポジウム」
2026年11月10日(火)午後1時30分からちゃたんニライセンター(北谷町)で「沖縄県居住支援シンポジウム(沖縄県、沖縄県居住支援協議会)」が開かれる。住まいの確保に困難を抱える方を支える制度や事例などを関係者らが解説する。参加無料、事前申込制でこちらから。
執筆者プロフィル

くだなおし・興産アメニティ「R65不動産沖縄」担当。
問い合わせ
電話 098(882)1717
https://r65.kosanamenity.com/
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」住まいでつながる未来の安心 共助で支える、高齢社会の賃貸経営(14)
第2129号(2026年10月23日発行)より転載