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全国空き家アドバイザー協議会の会員が、空き家問題の背景や沖縄の現状、具体的な活用方法を紹介。前回に続き、同協議会沖縄県沖縄支部の三木邦子さんが、県を越えて墓じまいをした事例を紹介するとともに、最新の供養の在り方について説明する。(文/三木邦子 全国空き家アドバイザー協議会沖縄県沖縄支部会員)
今回は宮城県に住む40代女性、Kさんの事例を取り上げます。一人娘のKさんは東日本大震災の年に亡くなった父親のお墓を管理していました。子どもは2人いますが、ともに遠方に居住しているため、お墓の継承はできないとのことでした。
Kさんは、沖縄が好きで定期的に遊びに来ており、今後も沖縄との縁を深めつつお参りができたらとの気持ちで、墓じまい後、沖縄での永代供養を希望していました。
しかし、父親のお墓がある寺の住職からは「両親一緒なら理解はできるが、お父さまだけを先に永代供養するのはいかがなものか」と異議を唱えられ、話し合いは平行線のままだったそうです。
Kさんとしては自分が元気なうちに墓じまいをして不安を解消したい、また子どもたちや施設にいる母親にも何の不安もなく安心して過ごしてほしいという願いがありました。母親もKさんの意向に理解を示しており、母親自身の永代供養墓の契約も前向きに検討していました。
その後、何度も住職と面談し、やっと理解が得られ、墓じまいの手続きをすることができました。沖縄での納骨式は都合がつかず立ち合いがかないませんでしたが、1年後、Kさんの望み通り、父親のお墓参りが実現しました。「沖縄とは遠く離れていますが、父を想う気持ちはどこにいても変わることはありません」と仰っていたKさんの晴れやかな表情が印象に残っています。
お墓の引っ越し 離島や県外へも
必ずしもお墓や仏壇の前で手を合わせることが供養とは限りません。お墓がある場所に向かって手を合わせる。1日1回、故人を思い浮かべる。これらも立派な供養の一つだと私は思います。
以前は、別の場所に地盤を固めても、墓守のために故郷に戻ることが一般的とされていましたが、今は終(つい)のすみかが自由に選べる時代です。老後は子や孫のそばで過ごしたいという願いから、慣れ親しんだ場所を離れ、お墓ごと引っ越すケースも多々あります。沖縄から県外、離島へのお墓の引っ越しも可能です。
生活に合わせて お墓事情も変化
1度建てたお墓は子や孫が代々受け継ぎ、管理することが一般的とされてきましたが、少子高齢化や核家族化などにより、お墓事情にも変化が出てきています。
自然に帰ることを望む方は樹木葬や散骨などの「自然葬」を。お墓の管理で家族に負担をかけたくない方は霊園やお寺が管理する「永代供養」を。この時期の暑さをしのぐことができ、なおかつ草刈りや清掃の必要がない「室内墓所」=写真=も人気です。

永代供養付き室内墓所「久遠の想い」。屋内にあり、個別に仕切られているので、ゆっくりお参りすることが可能に
また、アクセサリーやインテリアのようなミニ骨つぼに遺骨を納め、自宅など身近な場所で管理する「手元供養」=写真=も注目を集めています。

手元供養のための骨つぼ。分骨した遺骨を仏壇に安置し供養する。バリエーションも豊富だ
埋葬方法が多様化し自由に選べる時代となった今、ご自身のライフスタイルに合ったお墓をご一考してみてはいかがでしょうか。
2026年4月に全国空き家アドバイザー協議会沖縄県沖縄支部が発足しました。士業や不動産、リノベーション、建物解体など幅広い分野の専門会員が所属。地域文化に根差した空き家問題の解決、仏壇や家財の整理、利活用など、空き家から派生する悩みをワンストップでサポートします。
沖縄支部では、空き家は個人の資産問題のみならず、地域の資産問題ととらえております。1軒でも多くの空き家を減らし、地域の活性化を目指し活動してまいりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
執筆者プロフィル

みき・くにこ/1981年生まれ、宜野湾市出身。終活カウンセラー1級。サービス業を経て、2014年に沖縄県メモリアル整備協会に入社。残りの人生を楽しんでほしいと願い、70代の母の終活をサポート中。
お問い合わせ
全国空き家アドバイザー協議会 沖縄県沖縄支部
電話 098(989)0801
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」どうするその空き家 あなたの実家も!?(30)
第2122号(2026年9月4日発行)より転載