相続した土地、まず何をするべきか?|土地家屋調査士Q&A

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親から土地を相続したものの、「どこにある?」「境界はどこ?」「名義が親のままだけど大丈夫?」と戸惑う方もいるでしょう。まずは登記簿や固定資産税の通知書を確認し、現地も見て、土地の全体像をつかむことが大切です。(文/澤岻公亮・沖縄県土地家屋調査士会 社会事業部長)

土地の情報を確認し、全体像をつかみましょう

まず土地を調べよう

前回は、登記簿上の一つの土地を二つ以上に分ける「分筆登記」を紹介しました。どのように分けるかを考えるためにも、まずは故人が持っていた土地を漏れなく把握することが大切です。

まず、固定資産税の納税通知書、権利証、登記識別情報を探しましょう。そのほか、市町村には、故人の名義で登録されている土地などの固定資産を一覧にした「名寄帳」が備え付けられています。

2026年2月2日に「所有不動産記録証明制度」も始まりました。相続人が故人との関係が分かる戸籍などを添え、氏名や住所を検索条件として法務局へ請求すると、亡くなった方が登記名義人になっている不動産を一覧で確認できます。ただし、請求時に記載した氏名や住所が登記記録と違う場合や、所有権の登記がない物件などは抽出されないことがありますので注意しましょう。

こうした資料を手掛かりに、どの土地を相続したのかを確認します。土地の所在や地番が分かったら、法務局で登記事項証明書を取得し、登記名義人、地番、地目(土地の用途)、面積を確認します。地図(公図)では土地のおおよその位置や形を、地積測量図があれば過去の測量内容なども確認できます。

相続登記の期限

不動産の名義を相続人へ変える「相続登記」は、24年4月1日から義務になりました。原則、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記しなければなりません。遺産分割が成立した場合も、その日から3年以内に、内容に沿った登記が必要です。24年4月1日より前に始まった相続も対象で、3月31日より前から、その不動産を相続で取得したことを知っていた場合の期限は、原則、27年3月31日です。

期限内の相続登記が難しいときは、「相続人申告登記」で基本的な申請義務を果たせます。ただし、これは最終的な名義変更ではないため、遺産分割後は改めてその内容に沿った登記が必要です。迷ったら、早めに司法書士や法務局へ相談しましょう。

現地の状態も確認

書類がそろったら、現地も見てみましょう。土地の場所、境界標、使われ方のほか、塀、建物、樹木、附属物の越境や第三者の使用を確認します。未登記の建物や、取り壊した後も登記が残っている建物にも注意が必要です。そのうえで、残す、住む、売る、分ける、建物を建築するなど、今後の使い方を相続人同士で話し合います。

「場所や範囲が分からない」「境界標がない」。そんなときは、土地家屋調査士にご相談ください。法務局の資料や現地を調べ、必要に応じて測量を行い、筆界(登記上の境界)を確認します。

相談先は、困っている内容によって異なります。相続による名義変更は司法書士、相続人や隣人との法的な争いや第三者による無断使用は弁護士、相続税は税理士の分野です。必要に応じて、各専門家が連携することもあります。

子に引き継ぐ前に

相続した方や、これから子どもへ土地を引き継ぐ方から、「口約束で土地の一部を交換して使っている」「相続した土地の場所や状態が分からない」といった相談があります。

土地の境界や経緯は、年月がたつほど確認が難しくなることがあります。次の世代へ安心して引き継ぐためにも、今のうちに土地の状況を確認し、分かることを整理しておくことが大切です。

次回は「境界トラブルはなぜ起こる? 解決方法は?」について紹介します。

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電話 098(834)7599(土日・祝日を除く 午前9時〜午後6時)
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毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」土地家屋調査士Q&A(7)
第2129号(2026年10月23日発行)より転載