「分筆」「合筆」って何?|土地家屋調査士Q&A

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土地の一部を売却したいときや、相続した土地を分けたいときなどに行うのが「分筆(ぶんぴつ)」です。反対に、隣り合った複数の土地を一つにまとめる登記を「合筆(がっぴつ)」といいます。(文/吉田美苗・沖縄県土地家屋調査士会 広報部理事)

土地を分けるのが「分筆」、まとめるのが「合筆」です

分筆登記とは、登記簿上の一つの土地を二つ以上に分ける手続きです。相続した土地を相続人の間で分けるときや、土地の一部を売却するときなどに行います。分筆後は、分けた土地に新たな地番が付けられ、登記簿も土地ごとに分かれます。

ただし、図面上で土地に線を引くだけで分筆できるわけではありません。分筆の依頼を受けた土地家屋調査士は、まず法務局に備え付けられた地図や、過去の分筆などで提出された地積測量図などを調査し、情報を収集します。古い分筆登記などでは、地積測量図が法務局に備え付けられていない場合もあります。その後、現地で実際の境界の位置を確認し、測量を行います。必要に応じて隣接地の所有者などに立ち会いをお願いします。測量が終わったら、その結果を基に分筆後の形状や面積を求め、境界標を設置して法務局に分筆登記の申請をします。

このとき、第3回で紹介した地積測量図を作成します=下画像。前回紹介した「建物図面」や「各階平面図」と同じく、登記簿の附属書類として法務局に備え付けられ、将来、土地を売却・相続するときや、境界を確認するときにも重要な資料となります。審査期間を経て、問題がなければ分筆登記が完了します。

分筆登記申請の際に法務局に提出する地積測量図は、一筆全体の調査・測量と筆界確認を基に、分筆後の全ての土地の形状や境界標、面積を表示します

相続や売却を目的として分筆する場合は、分筆後の土地を目的通り利用できるかを確認することも大切です。例えば都市計画区域内では、建物の敷地は原則として建築基準法上の道路に2メートル以上接している必要があります。ただし、共同住宅など、建物の用途や規模によっては、さらに長い接道が必要になる場合もあります。分筆によって道路に接していない土地や接道義務を満たさない土地が生じると、将来の建築や土地利用に影響するため、分筆前に利用条件を確認しておくことが重要です。

土地をまとめて、管理を楽に

一方、合筆登記は、隣り合った複数の土地を登記上、一つにまとめる手続きです。同じ所有者が隣接する土地を複数所有し、一つの土地として管理したい場合などに行います。ただし、隣り合っていれば必ず合筆できるわけではありません。所有者が同じであることに加え、地目が同じで、字などの地番区域も同じであることなど、いくつかの条件があります。また、抵当権などの登記がある土地は、一定の条件を満たす場合を除き、合筆できません。

なお、分筆・合筆とは別に、土地の利用状況が変わり、登記上の地目と現況が異なる場合には、「地目変更登記」が必要です。法律により、地目に変更があった日から1カ月以内に申請する義務があります。例えば、登記上の地目が「畑」や「雑種地」の土地を「宅地」として利用するようになった場合などです。ただし、「畑」などの農地を宅地にするには、原則として、あらかじめ農地法上の転用許可(市街化区域内では農業委員会への届出)が必要です。

土地の分筆や合筆は、売買や相続、建築など、その後の土地利用にも関わる大切な手続きです。「土地の一部を分けたい」「所有する隣り合った土地を一つにまとめたい」と考えたときは、土地家屋調査士にご相談ください。土地の境界や面積、地目、接道状況、登記内容などを確認し、希望する利用方法に応じた登記手続きや注意点をご案内します。

次回は、「相続した土地、まず何をするべき?」をテーマに、相続した土地について確認しておきたいことや必要な手続きについてご紹介します。

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毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」土地家屋調査士Q&A(6)
第2125号(2026年9月25日発行)より転載