オーバーローンなら相談を|離婚にまつわる不動産事情Re:コンサル[3]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

スペシャルコンテンツ

2020年12月18日更新

オーバーローンなら相談を|離婚にまつわる不動産事情Re:コンサル[3]

自身も2度の協議離婚を経験した「とまとハウジング」代表の川端ゆかりさんがアドバイス! 離婚を考えた時に知っておきたい不動産の知識と、離婚=すべてがネガティブなわけではないという少しの元気をお届けします。

タグから記事を探す

オーバーローンなら相談を|住宅ローン残高と市場価値の把握は大切!


こんにちは! 川端です。このコラムを書いている今日は両親の結婚記念日です。

発病から3時間で父が空へ旅立ってから27年が過ぎました。母は今でも父を思っており、おいしいものを食べたら「パパにも食べさせたかった」、旅行に行くと「パパにもこの景色を見せたかった」と必ず言います。

最近は思い出も進化(?)して「パパとこれ食べた?」「前にパパとここに来た気がする」とほほ笑みます。私の胸もきゅんとします。生前の父よりもすっかり年上になった母は天国に行ったときに「ゲッ!おばあちゃんになってる!」と父にドン引きされないかということをひそかに心配しているほどです。

なんてすてきな夫婦愛でしょう。この2人から生まれた娘が2度も離婚し(協議です)、人口145万人の沖縄であからさまに離婚のコラムを書く日が来るなんて…。「なんてすてきなんだ!」と自画自賛(道中、傷つけた方々もありますが)。

これがね、人生ってなもんよ、あたしゃね、これで十分幸せなんだよ! と猫をなでながら曇り空の向こうの青空に叫びたいくらいです。ケース・バイ・ケースですが、結婚もアリ! 離婚もアリ! 人生とは選択し受け入れることの連続であり、その通過点として結婚や離婚があるのではないかな、と考えたりします。


ローン破綻と離婚は同時進行!?

さて、本題。今回は「住宅ローン残高と市場価値の把握」についてです。

私の会社には離婚のご相談も多いのですが、そのひとつには「任意売却」を得意とする不動産会社であることがポイントとなっている部分があるはずです。

任意売却物件とは、住宅ローンの返済がきびしくなり、競売に移行しそうな物件の総称です。最近ではコロナ禍で収入が減り返済が苦しい、リストラになり住宅ローンを滞納している、遅れながらなんとか返済しているが今後に不安がある、というご相談が増えています。

かさねて、任意売却でご相談の場合は債権者(銀行系保証会社)に家を取られる段階(競売の前)まで進んでいることもあり、かなりの確率で夫婦関係が決裂していて、別居中、離婚調停中であることが多いのです。また、ご夫婦のどちらかが心の病を抱えているケースもあります。もう少し早い段階でお客さまと出会えていたなら、もっと選択肢を広げて差し上げることができたかな、と心の中で思うこともあります。ローン破綻と離婚は同時進行の場合が非常に多いのです。


自宅価値とローン残高を比較

まず最初にやるべきことは、住宅の価値が下記のABどちらに属しているか把握すること。ざっくりとでも構いません。どちらかわからない場合には、不動産会社に無料査定を依頼することもできますし、WEBの簡易査定もあります。

A:アンダーローン…自宅の価値>住宅ローン
B:オーバーローン…自宅の価値<住宅ローン


Aの場合は、売却後に住宅ローンを全額返済してどれだけ手元に残せるかがキーポイントです。
Bにおいては注意が必要です。夫婦(元夫婦)と任意売却の知識がある不動産会社の意思疎通と協力が重要となります。



①ペアローンは、それぞれ住宅ローンを借入返済。連帯債務は夫婦で同等の返済義務を負う
②夫が返済できなくなった場合、妻が返済義務を負う。離婚しても連帯保証人としての立場は消えない



次に、ローンのパターンを確認しましょう。

上記図①のペアローンまたは連帯債務のように夫・妻ふたりで住宅ローンを支払っている場合と、図②のように夫婦どちらかが連帯保証に入っている不動産を売却する場合、手続きにはお二人の協力がどうしても必要になってきます。

お二人一緒に行動することが難しい場合、どちらかおひとりだけでもまずは専門家(不動産を得意とした離婚コンサルタントなど)に相談してみることが不安を解消する一歩です。

ご安心いただきたいのは、仮にローン破綻したとしてもやり直しはきく、「命より大切なものはない」ということです。プロを味方に現状を冷静に整理して、これからの未来を切り開いていくことが大切です。


次回は「実際の事例ケースその①住宅ローン全額返済!笑顔でさよなら」です。



執筆者 川端ゆかり(かわばた・ゆかり)
1971年、浦添市出身。短期大学卒業後、那覇空港地上職・地元情報誌編集・建設会社不動産部勤務を経て1999年(有)とまとハウジング設立。趣味は猫とお酒と読書、仕事が絡まないゴルフ。https://www.tomato-okinawa.com/rikon/
 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1824号・2020年12月18日紙面から掲載

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2151

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る