存在感と柔らかさ備え[アガベアテナータ]|植物と器で楽しむ Interior green⑬|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

家づくりのこと

庭・garden

2017年6月30日更新

存在感と柔らかさ備え[アガベアテナータ]|植物と器で楽しむ Interior green⑬

インテリアグリーンを楽しむコツと上手な育て方を、プランタドールの新城圭吾さんがレクチャー。放射状に広がるライトグリーンの葉が印象的な「アガベアテナータ」は、存在感と柔らかさを兼ね備えたフォルムが魅力だ。

アガベアテナータってどんな植物?
放射状に広がる葉が特徴
病害虫に強く管理も容易​


リュウゼツラン科アガベ属の植物で、北米から南米にかけて約300種類ほどあるそうです。アガベ属は葉に鋭いトゲがある種類が大半を占めますが、今回紹介するアガベアテナータはトゲがなく、やや細長いライトグリーンの葉で形成されるロゼット状(放射状)のフォルムが存在感と柔らかさを兼ね備えている人気種です。
県内では庭植えから鉢植えまで幅広く楽しめ、サイズも小~大鉢までバラエティーに富んでいるのも人気の理由の一つかと思います。 サッカー選手で例えると、絶対的な存在感のある元ナイジェリア代表「オコチャ」といったところでしょうか。
病害虫に強く管理が容易なため、初心者の方にもオススメです。


育てる上で気を付けたいこと
しっかり光当て、風通し良く
水やりは表面が乾いてから


室内、戸外共に自然光がたくさん入って明るく、風の通りが良い場所を好みます。耐陰性は普通ですが、光が足りないとフォルムが崩れたり、新葉が弱々しくなりますので注意してください。
乾燥に強く多湿に弱いので、水やりの目安は土の表面が乾いたらたっぷりあげるようにします。
生育期の春~秋にかけてはしっかり光を与え、育てましょう。気温が下がる冬は、水やりは控えながらも光はしっかり当たる場所で育てていきます。
葉にカイガラムシがつく場合があります。見かけた際は濡れティッシュなどで拭き取りましょう。

やや細長いライトグリーンの葉が放射状に広がる独特のフォルムが魅力

 

高さとフォルムを意識



大きめサイズをコートに
キューブ型の器で安定感


リビングのソファに腰掛けたときに視界に入るサイズのアガベアテナータを、安定感のあるキューブ状の器に合わせてコートに配置。樹形にボリュームがあり、サイズも大きいものをベランダやテラスなどに置く場合は、強風などで倒れないキューブタイプの器が安定するのでオススメです。




鮮やかな器で際立たせる

玄関脇スペースに、ウエルカムプランツとして設置した例。アガベアテナータの高さが約130㌢とそれほど高くなく、コンクリート製の丸みのある器を使っても風で倒れる心配がないため、ご提案させていただきました。
壁色が黒系の落ち着いた雰囲気だっため、器を鮮やかなターコイズブルーにして植物のフォルムをよりはっきりさせました。




壁と器の濃淡で圧迫感を軽減

コンクリート打ち放しの壁面に、ゴールドブラウン系の鉢とスタンドを組み合わせて設置させていただきました。
鉢色を壁面と同系色にして濃淡をつけることにより、奥行きが出て圧迫感を軽減できます。また、スタンドで高さを出すことにより葉が人に触れにくくなるため、葉をきれいに維持することもできます。
この場所は午前中、十分な光がしっかり入るため、アガベアテナータを管理するにも適しています。
 





開花は一生に一度

アガベ属が花を咲かせるのは一生に一度だけ。最期に花を咲かせた後は枯れてしまいます。アガベアテナータの場合、個体差はありますが10年ほどで花を咲かせると言われています。
花軸から花柄が伸びて、先端につぼみをつけます(写真)。花軸の伸長する高さは種類によって違いますが、高いものでは7㍍にもなります。子孫を残すため開花に最後の力を注ぎ命をまっとうする様子は、はかなくも母としての芯の強さを感じます。




執筆・提案
新城圭吾(しんじょう・けいご)
PLANTADOR代表。「花屋Ru-ga」で植物についての基礎・応用を学び、2009年に独立。14年に浦添市大平に販売店舗「PLANTADOR Segundo」をオープン。主に植物の室内コーディネート、住宅の植栽、植物販売などを手掛ける


『週刊タイムス住宅新聞』Interior green<13>
第1643号 2017年6月30日掲載

庭・garden

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2138

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る