26坪にLDK+6室を凝縮 傾斜地をスタイリッシュに生かす|お住まい拝見

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吉元さん(42)宅は、敷地の傾斜や勾配天井など「高低」を生かした造りが特徴。最も低い位置にあるLDKと、最も高い場所にある子ども室の差は1.6メートル。間には大きな床下収納を設けた。約26坪にLDK+収納を含めた6室をギュッと凝縮した。(編集部/東江菜穂、撮影/矢嶋健吾)

吉元さん宅 RC造/自由設計/家族4人

敷地の高低差や勾配天井などの縦空間を活用したスタイリッシュな吉元さん宅。LDKより1.6メートル上がった先に二つの子ども室があり、その下にはデスクスペースと約6帖の床下収納を設けた

木×ブラック 上質カフェ風

「カフェのような空間にしたい」という夫人(45)の希望を反映したLDKは、木×マットブラックの落ち着いた雰囲気。庭や借景の緑が温かみを感じさせつつ、上質感も漂う。「ステキに建ててもらったから、できるだけ生活感を出さないようにしているんです」。キッチンの造作家具やパントリー、リビングに隣接する床下収納などをうまく使ってスッキリ暮らしている。

オリジナルで造作したキッチン。天板は、厚さ3ミリのステンレスの1枚板を加工したこだわりの逸品。コンロは夫人の希望からIHとガスのハイブリッド型

その床下収納の上に、中学1年生の長男、小学4年生の長女の部屋がある。LDKより床高が1.6メートル高く、ほどよい距離感。「子どもたちが部屋にこもっていても、声が届くのがいい」と吉元さん。家族の居場所は、個室やLDKだけでなく、階段下のデスクスペースや、秘密基地のような床下収納、ベンチ代わりの階段も。1人になりたいときも、家族と話したいときも、ここで過ごす。

子ども室からLDKを見下ろす。少し離れつつ、声が聞こえ顔が見える距離感

子ども室の下にある約6帖の床下収納

勾配天井で広がり

夫人は「いつか家を建てたい」と、住宅紙を読みふけり「いいな」と思った家の記事はスクラップしていた。「後から見返したら、同じ建築士の物件が多かった。空間の使い方と、デザイン性が好みだった」。

土地探しの段階からその建築士に相談し、購入したのは最大1.4メートルの高低差がある傾斜地。「もともと、床や天井に高低を付けてメリハリの利いた家にしたいと思っていた。この土地だったら、その造りにマッチしていると太鼓判を押してもらった」。

床高の変化がリズムを生み、勾配天井が吹き抜けのような伸びやかさを演出。高低差によって大きな収納も設けられた。開放的なLDKに加え、二つの子ども室、主寝室、床下収納、ファミリークローゼット、室内物干し場まで含め計6室。「26坪に、ほしい空間をすべて詰め込んでくれた」と笑顔で話した。

勾配天井が印象的なLDK。木を多用した空間を黒い照明、建具などが引き締める。東と南側の窓は光を巡らせ、緑を切り取る

ここがポイント/敷地に素直に建てる

吉元さん宅が建つのは、傾斜があったり境界線が若干いびつだったり、少しクセのある敷地。「その形状に素直に建てて、コストや空間のムダを省いた」と手がけた建築士・儀間徹さんは話す。

敷地の特徴①は、南北で最大1.4メートルある高低差。「高い北側に寝室や水回りを置き、低い南側にLDKを配置。それを少しの階段でつないで、高低差をそのまま造り・間取りに反映。土地にあまり手を入れなかった分、予算を内部空間に回すことができた」と話す。

敷地の高低差は最大1.4メートル。その傾斜に合わせて建物を段々に配置することで土地の造成工事を抑えた

LDKは勾配天井にした。「最も天井が高い所は、3.65メートルの縦空間が生まれる。そこを子ども室と床下収納の2層にし活用した。天井高が1.4メートル以下の床下収納は建ぺい率の計算に含まれない。建ぺい率の限界ギリギリまで建てた吉元さん宅では、特に有効な手法だった」と建築士の儀間達紀さんは説明する。

敷地の特徴②は、少しいびつな西側境界。「東側にテラスや庭を設けたかったので、建物はなるべく西側に寄せた。そして、この西側境界線に添うような形で外壁を造り、敷地をムダなく活用した」と徹さんは話す。西日の影響を考慮し、西側には浴室や脱衣所、室内物干し場などを集約。家事動線の効率化にもなった。

また、浴室とLDKが対面するユニークな造りは、坪庭を「二重活用」するため。吉元さんは「玄関から入った先に、小さくてもいいから坪庭がほしい」と要望していた。そこで、玄関とLDKをつなぐ廊下の先にガラス張りの坪庭を配置=左下写真。「この坪庭を、浴室に風を通す『バスコート』としても活用した。坪庭を斜めに区切るように濃い乳白色のガラスを入れて、入浴中の人影が極力見えないよう配慮した」と徹さんは説明した。

(左写真)玄関から入った先に「坪庭がほしい」という吉元さんの希望から、廊下にガラス張りの坪庭を配置
(右写真)坪庭は浴室のバスコートも兼ねる

寝室、ファミリークローゼット、洗面室、室内物干し場と回遊でき、身支度も家事もしやすい

LDKの壁はライトグレーを基調にした。奥のスタイリッシュなキッチンも空間にマッチ。インテリアのよう

DATA

家族構成:夫婦、子ども2人
敷地面積:173.69㎡(約52.54坪)
建ぺい率:49.97%(許容50%)
容積率:49.97%(許容100%)
床面積:86.80㎡(約26.25坪)
用途地域:第一種低層住居専用地域
躯体構造:鉄筋コンクリート壁式構造
設計:間+impression 儀間徹、儀間達紀
構造:建築設計庵 長間大輔)
施工:(有)仲真組 仲眞憲和、宮城正和
電気:(有)開成電設 玉那覇裕亮
水道:(株)BANエンジニア 大嶺斉
キッチン天板:LITTAI metal works 仲地研二
造園:(株)GREENS FOR GOOD 鈴木康久

お問い合わせ

間+impression
電話 098(892)3635
https://ma-impression.com/


毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」お住まい拝見
第2104号(2026年5月1日発行)より転載