借家にある位牌 意思継ぎ永代供養|どうするその空き家 あなたの実家も!?

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全国空き家アドバイザー協議会の会員が、空き家問題の背景や沖縄の現状、具体的な活用方法を紹介。今月と来月は同協議会沖縄県沖縄支部の三木邦子さんが相談を受けた空き家や位牌(いはい)、墓じまいの悩みを解決した事例を紹介する。(文/三木邦子 全国空き家アドバイザー協議会沖縄県沖縄支部会員)

中城メモリアルパークの位牌供養塔。継承できなくなった位牌はおたき上げし、供養塔に納め永代供養する

はじめまして。全国空き家アドバイザー協議会沖縄県沖縄支部に所属している公益財団法人沖縄県メモリアル整備協会の三木と申します。私からは空き家や位牌、墓じまいの悩みが解決した事例を紹介いたします。

以前、本島北部に住んでいる30代の女性Aさんから「自分の物ではないが、自宅にある位牌を供養したい」とのご相談を受けました。当初「アジカイグァンス(預かり位牌)のことかな?」と思いました。

供養どうする? 借り主から相談

Aさんは、家族で県外から移住し、長年空き家だった一軒家を借りることができました。実はその家には仏壇があり、先祖代々の位牌がまつられていて、当初、家主から「位牌がある」との理由で賃貸を断られたそうです。しかし、そのままで構わないので貸してほしいと交渉し、「行事ごとに手を合わせることができる」との条件で賃貸契約を交わしたそうです。

居住後は、行事ごとに自宅を家主が訪れ、年忌法要も何度か執り行なっていましたが、その後、家主から「自身も高齢になり、管理が難しくなってきた。継承者がいない位牌を永代供養したい」との相談を受けたとのことでした。

その後は高齢の家主に代わってAさんが主導して、位牌の霊位数の確認や見積書の請求、自宅での閉眼供養の段取りまで滞りなく行い、相談から3カ月ほどで無事に位牌永代供養を終えました。

相談を受ける過程でぶしつけながらAさんに「家に知らない方の位牌があって抵抗はなかったですか?」と聞いたことがあります。

すると、「全然なかったです。むしろ住まわせてもらって感謝しています。家主さんも行事の日程が決まったら早めに連絡してくれますし、家に上がってもらうのも全然抵抗ないですよ。子どもたちも『今日はおばあちゃんが来るー』って喜んでいます」と、想定外の答えでした。

家主の悩み共有 思いやりで解決

Aさんは沖縄に憧れ、移住を決意したものの実際には居住先が見つからず困っていたようです。ようやく理想の物件に巡り合いましたが、空き家には位牌があり、当初は貸し出しに消極的だった家主に対し、Aさんら家族が住めば空き家にならず、位牌を見ることができると前向きな提案を行いました。

一方、家主は愛着のある実家を空き家にすることなく、必要な人に住んでもらうことができ、さらに自身が希望するときは位牌に手を合わせることができました。このように双方の悩みがマッチングして、空き家と位牌の両方を管理することができ、最終的には位牌を周囲のサポートで永代供養をするという決断に至りました。

少子高齢化の影響で核家族が増え、近所づきあいも希薄になる昨今。高齢者の困りごとを地域の若年層がサポートして解決に導いた、まれなケースではありますが、関わった全員が親切で思いやりのある方だったので、10年たっても私の記憶に強く刻まれています。

まもなく旧盆を迎えます。家族や親族が集まる絶好の機会ですので、位牌や空き家、お墓の継承のことで不安を感じている方はぜひ、この機会に話をしてみてください。「相談しても無駄」「話がこじれるだけ」などと思わないでください。そもそも話し合いをしないから理解ができないのです。悩みを共有することでそれぞれの思いが確認でき、解決に至るかもしれません。

右はモダン位牌。左は過去帳。過去帳やコンパクトな位牌に移し替える方法もある。魂抜きした元の位牌はおたき上げ供養する

次回は継承できないお墓の悩みを共有・相談し、宮城県の檀家(だんか)から墓じまいを実施したケースを紹介します。

執筆者プロフィル

みき・くにこ/1981年生まれ、宜野湾市出身。終活カウンセラー1級。サービス業を経て、2014年に沖縄県メモリアル整備協会に入社。残りの人生を楽しんでほしいと願い、70代の母の終活をサポート中。

お問い合わせ

全国空き家アドバイザー協議会 沖縄県沖縄支部
電話 098(989)0801


毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」どうするその空き家 あなたの実家も!?(29)  
第2118号(2026年8月7日発行)より転載