読了時間 約6分
これまでの連載から紹介
沖縄県の那覇市曙にあるアウトドアショップ「燈人(ともしびと)のスタッフ・與那嶺康貴さんが、「アウトドア×減災(災害による被害を少しでも食い止めるような行動や取り組み)」をテーマに執筆。今回は、7月28日に発生した令和8年熊本地震を受けて、改めて地震への備えについて当連載を振り返る。(文・写真/與那嶺康貴 アウトドアショップ「燈人」スタッフ)
「すぐ持ち出せる」が大事
このたびの令和8年熊本地震により被害を受けられた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族に心からお悔やみ申し上げます。また、被災地域の1日も早い復興をお祈りいたします。
今回のコラムは過去に書いた地震の備えについて再度紹介させていただき、いつ来るかわからない災害の被害を少しでも食い止める「減災」につなげていただければと思います。
まず、防災用品の用意について。すぐに持ち出せるようにしておけば、災害時にすぐに避難できるだけでなく、余震が続く中で危険な住宅や施設に戻ることで起きる2次災害を防ぐことができます。また、用意しておくことで「災害への不安」を少しでも取り除けるのではないかと思います。過去には防災ボトルや枕元に準備しておきたいグッズを紹介しました。
次に、家具などの固定について。この記事は、2026年3月に沖縄本島や周辺離島地域で頻繁に地震が観測されたことを受けて、総務省消防庁のホームページを参考に書きました。家具の配置や転倒防止の固定方法などを紹介しています。この機会に改めてご自宅や職場の環境と照らし合わせてもらえればと思います。
疑似体験できる施設も
最後に「名護市防災研修センター」について。24年4月に取材させてもらった名護市にある施設で、地震や水害などさまざまな災害のシーンを体験しながら防災・減災についての意識を高めることができます。体験しながら学ぶことで、「いざという時、パニックにならずに命を守る行動をする」ための心構えができるはずです。訪れる際は、ホームページから申し込んでください(電話での申し込みはできません)。夏休み期間にご家族や地域コミュニティーなどで、利用してみてはいかがでしょう。
沖縄で取り組みたい「7つの備え」
枕元に備えたい懐中電灯、笛、靴(23年4月7日号)

連載第1回で紹介したのが、「災害に備えて枕元に用意しておきたいグッズ」。避難する際に明かりの確保は必須なことから懐中電灯、割れたガラスや食器などの破片が散乱して歩くのが困難な場合を想定して靴(靴下)も欠かせない。手袋やモバイルバッテリーのほか、助けを呼ぶためのホイッスルも紹介した。助けを求めて大声を出し続けるのは想像以上に体力の消耗が激しいことから、災害ホイッスルが見直されている。登山やハイキングの非常時などでも使うため、アウトドアショップやスポーツ店でも購入できる。
かばんや車に防災ボトル(24年1月19日号)

24年1月1日に能登半島地震が起きた際、「防災ボトルを用意し持ち歩くことで不安な中でも日常を取り戻しつつある」というSNSを目にしたことから、防災ボトルを紹介した。中に入れるのは、外出先から避難所や自宅に到着するまでに最低限、必要そうな物。私は透明のプラスチックのウオーターボトルに、ホイッスル、ミニライト、ようかん、圧縮タオル、常備薬、現金などを詰めた。コンパクトながら、ボトル自体が水筒としても使え機能的。手元にあることで安心できる「お守り」のような存在。
防災マップで避難場所・経路を確認(25年4月4日号)


(左写真)豊見城市の防災マップ(右写真)防災マップを手に避難場所までの経路を確認
災害はいつ、どこで起きてもおかしくない。自宅のある地域の防災マップはもちろん、自分の会社や学校周辺の確認も必須だ。各自治体や沖縄県が公開している防災マップから、避難場所や経路を確認しておこう。できれば事前に歩いて、安全なルートを確認しておくのがベスト。
冷却グッズや虫除け 備えも夏仕様に(25年7月4日号)

昨年の夏には、防災バッグの中身も「夏仕様」にしましょうという提案をした。この時期の避難は暑さ対策も重要。例えば冷却シートや冷却スプレー、クーラーボックスや保冷剤、コンパクトなハンディーファンなどがあると重宝する。虫除けスプレーもあると良いだろう。冬場は寒さ対策のグッズも用意するなど、備えも随時アップデートしていこう。
家具・家電は固定 配置も再確認を(26年3月6日号)
近年は家電やモノが増え、それらを収納するための家具も増えている。そうした家具・家電の転倒や落下を防ぐためには、建物本体への固定や重心を低くすることが大切。固定する際は、柱やかもい、壁の中にあるしっかりとした桟と固定する。強度を確認した上で天井と家具を突っ張り棒で固定する方法もある=イラスト。

滑り止めのゴムシートやマットなども併用するとより安心=イラスト。

開き戸の食器棚はロック機能付きの製品を選んだり、ガラス戸に飛散防止フィルムなどを貼ったりすれば避難時のケガ防止にもつながる。
災害を疑似体験 名護市防災研修センター(24年4月5日号)

名護市大北にある「名護市防災研修センター」=写真=は、風災害や火災、地震などさまざまな災害を疑似体験しながら防災について学べる施設。疑似体験をすることで「この中をどう行動すべきか」「どんな危険が想定されるか」を具体的にイメージできた。同センターの利用は、事前申請が必要。名護市役所のホームページから電子申請する。
手軽で利便性高い防災頭巾(24年6月14日号)


(左写真)2枚の座布団の2辺にマジックテープを付けて作った簡易防災頭巾(右写真)普段は座布団として使うこともできる
沖縄ではあまりなじみがない「防災頭巾」だが、首や肩あたりまでしっかり覆ってくれ、割れたガラスや電球などの落下物から身を守るのに適している。また、火の粉や熱から頭部を守るのにも向いている。
だが、県内のショッピングセンターや衣料品店ではほとんど売られていなかったことから、100円均一ショップの座布団を使って手作りしてみた。2枚の座布団にマジックテープを着けて簡易頭巾の完成! 普段は椅子に敷いて座布団として使い、いざというときには防災頭巾として使うこともできる。
執筆者プロフィル

よなみね・やすたか/沖縄ヤマハ内のキャンプギアコーナー「燈人(ともしびと)」スタッフ。
お問い合わせ
沖縄県那覇市曙1-8-10
電話 098(866)5365
https://sites.google.com/view/tomoshibito
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」アウトドア×減災(39)
第2118号(2026年8月7日発行)より転載