地域と連携3年 課題解決へ使命感|どうするその空き家 あなたの実家も!?

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全国空き家アドバイザー協議会の会員が、空き家問題の背景や沖縄の現状、具体的な活用方法を紹介。今回は、同協議会沖縄県名護支部の屋部憲史朗支部長が設立満3年を迎えた同支部のこれまでの取り組みを振り返る。(文/屋部憲史朗 全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部支部長)


2023年10月に全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部を設立してから、2026年10月で満3年を迎えます。沖縄県初の支部としてスタートし、地域の皆さまをはじめ、行政やさまざまな分野の専門家に支えていただきながら活動を続けてきました。まずは、この3年間、私たちの活動に関わっていただいた皆さまに心から感謝申し上げます。

この3年間、さまざまな空き家の相談を受けてきました。空き家の相談というと、「売りたい」「貸したい」「解体したい」といった不動産そのものの相談を想像されるかもしれません。しかし実際には、相続や登記、境界、建物の老朽化、家財や仏壇、お墓、家族や親族との話し合いなど、一つの空き家にいくつもの問題が絡み合っているケースが少なくありません。

そのため名護支部では、不動産だけでなく、司法書士や行政書士、土地家屋調査士、建築、解体など、地域のさまざまな専門家が連携し、一つの相談を一緒に考える体制づくりを進めてきました。

伊江村で行われた住民向けセミナー。全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部は設立3年。地域の空き家や仏壇で悩む住民らのために、よりよい解決策の周知に取り組んでいる=2026年9月16日、同村役場内ホール

よりよい解決策 一緒に取り組む

そして、3年間活動してきて強く感じることがあります。それは、空き家や実家のことで悩んでいる方は想像以上に多い一方で、「何から相談したらいいのか分からない」という方がとても多いことです。

実際に相談を受けた方から「もっと早く知りたかった」と言われることがあります。私たちにとってありがたい言葉であると同時に、まだまだ団体や活動内容を知ってもらえていないという課題を感じる言葉でもあります。

空き家の問題は、時間がたつことで複雑になることがあります。相続が重なって関係者が増えたり、建物の老朽化が進んだり、管理する人がいなくなったりすることもあります。

だからこそ、「何を相談すればいいか分からない」という段階で相談していただいて構いません。まず話を聞き、問題を一つずつ整理して、どこから手を付ければよいのか、どの専門家につなげればよいのかを一緒に考えることも、私たちの大切な役割です。

4年目に突入へ 得た経験生かす

この3年間で、活動の広がりも感じています。2025年10月には、名護市から「空家等管理活用支援法人」の指定を受けました。また最近では、名護市以外の行政からも私たちの活動について話を聞きたいと、声を掛けていただく機会が増えてきました。

3年前は、まず「空き家アドバイザー協議会とは何をする団体なのか」を知ってもらうところからのスタートでした。一件一件の相談に向き合い、地域や行政、専門家の皆さんと連携を重ねてきたことで、少しずつ私たちの役割を知っていただけるようになったと感じています。

これまでで一番印象に残っている相談は何かと聞かれると、一つに絞ることはできません。相談内容も、その方が置かれている状況も、それぞれ違います。ただ、どの相談にも共通して忘れられない瞬間があります。「どうしたらいいか分からない」と相談に来られた方の問題が整理され、進むべき方向が見えた時。そして最終的に課題が解決した時です。

その時の相談者の安堵(あんど)した表情を見ると、この活動をやってきてよかったと感じます。それと同時に、もっと多くの方に私たちの存在や活動を知ってもらわなければならないという使命感も感じます。

名護支部は、10月から4年目に入ります。3年間で得た経験や地域とのつながりを、これからどのように生かしていくのか。そして、空き家になって問題が大きくなってから解決するだけではなく、その前に私たちに何ができるのか。大切な財産をどうつなげていくか、を地域の皆さまに寄り添いながら考えていきたいと存じます。

次回は、4年目を迎えた名護支部がこれから取り組んでいきたいことについて、お伝えしたいと思います。

執筆者プロフィル

やぶ・けんしろう/1982年生まれ、名護市在住。2024年、(一社)全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部を設立し支部長に就任。(株)ハートボイルド代表取締役社長。北部地区宅建業者会理事。名護市観光協会青年部部長

お問い合わせ

全国空き家アドバイザー協議会 沖縄県名護支部
電話0980(43)1613


毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」どうするその空き家 あなたの実家も!?(31)  
第2126号(2026年10月2日発行)より転載