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健全・自由な不動産取引のサポートや消費者保護を目的とする沖縄県宅地建物取引業協会(県宅建業協会)は、1964年に設立。信頼と繁栄を表すハトマークをシンボルに、現在の会員数は1639社で構成されている。渡久地政彦会長が今後の活動を語ったほか、各地域の業者会や部会の取り組みも紹介する。
1964年に設立 現在の会員数は1639社

ハトマーク
渡久地政彦会長に聞く、今後の活動指針

就任5年目の渡久地会長。不動産業を営み30年。(株)オクト管理代表。これまでの経験を生かし、凡事徹底で業界の発展に尽力している
需給のバランス崩れ
県内の不動産は県外資本による需要が特に強く、インフラ未整備の土地が高値で売買されることもあります。追い打ちをかけるように建設費高騰が重なり、実需に対して供給が追いついておらず、地元の方が一戸建てや分譲マンションを手に入れることも難しくなっているのが現状です。
さらに空き家・相続など一般消費者が直面する問題も増えています。これら多くの問題を前にしても、会員も一般消費者もが「安心・安全な不動産取引」を行えるよう、環境を整えるのが何よりも先決。双方がウィンウィンであることが沖縄宅建ビジョンに掲げる「笑顔溢れる地域社会のリアルパートナー」には必要です。
関連団体と連携強化
まず公益社団法人として、大切な柱の一つが「消費者保護」。専門相談員がアドバイスする「無料相談会」を開催し、抱えている悩みの解決につなげられるようにしています。
一方、公益社団法人のため、組織活動に制約があります。変化の動きが早く多様化する業界に対し、協会単体で遂行するのが困難な業務は関連団体と連携しています。
例えば、(一社)沖縄県不動産流通機構は2022年に提供が開始された会員向けシステム「ハトサポBB」の普及に取り組んでいます。物件情報をシステムに入力するだけで、さまざまな民間不動産ポータルサイトに出稿でき、大幅な作業効率化につなげています。
ほかにも、それぞれの強みを持つ他の関連団体とも連携を強め、盤石な組織力を培っています。
実務の情報共有 工夫
次に会員の知識のアップグレードは欠かせません。実務に関連する法規が次々に改正されたり、重要施設周辺の取引は規制されたり。複雑化する制約の中で、一般消費者に損害を与えないことは当然ながら、会員も損害を被らないよう実務遂行することが大切です。
そのため、法定研修会や各種セミナーなどを開催しています。会場での対面とともに、ウェブなどにアーカイブ動画を残し、離島の遠隔地の会員や都合が合わなかった会員でも学べるようにしています。
個人情報も扱うことが多く、セキュリティーをさらに強化し、必要な情報を素早く共有したいです。
次世代への申し送り
また、定年退職が間近となり、会長としての任期はわずかとなっています。
那覇市泉崎にある現会館の移転など山積する課題全てを任期中に解決するのは非常に困難。今後の協会のためにも、次の役員へレールを敷いて、しっかりバトンタッチする準備も進めています。そして、ごくごく当たり前の事柄を徹底し、業界だけではなく、地域社会の利益にもなる活動を続けて参ります。
9月18日に「不動産フェア」

2025年の不動産フェアでは(左)ラジオ沖縄の人気番組と公開収録。また毎週第1土曜日午前9時15分から、ラジオ沖縄で「ラジオ不動産相談室」を放送中 (右)フェア会場では不動産相談を受け付けている
県宅建業協会の関連団体/活動内容
| (一社)沖縄県不動産流通機構 主に不動産取引に関する情報の収集・提供を通して、流通の適正化を図る |
| 沖縄県不動産コンサルティング協議会 複雑化する不動産の取得・処分・利用などについて、内容を整理し改善提案を行える人材を育成する |
| 沖縄宅建政治連盟 土地や住宅にまつわる政策などに提言を行う |
| (株)沖縄県不動産会館・リュウホ(株) (株)沖縄県不動産会館は会員の営業支援を行い、子会社のリュウホ(株)は会員へ保証サービスを案内。安心・安全な賃貸経営をサポートする |
無料相談窓口は、電話 098(861)3402
不動産取引に関する疑問やトラブルでなどの困りごとに県宅建業協会の不動産相談員が公正・中立な立場からアドバイス。必要に応じて専門機関や相談窓口への紹介も行う。
9地区業者会&女性部会 学びと交流深める
(公社)沖縄県宅地建物取引業協会は9地区の業者会と女性部会が独自の活動を展開し、学びと交流を深めている。各会ともセミナーや勉強会、研修会を開き、不動産取引に欠かせない実務知識や情報を共有。地域貢献活動にも積極的に取り組み、地域行事に参加したりスポーツ大会を主催したりするほか、寄付活動なども行っている。
女性部会(比嘉美加子会長)

講師に質問しながら、実践的な事例を学んだ
開催した勉強会のテーマは「宅建業者がおさえておくべき相続知識トップ5」。相続とは何かという問いから始まり、業務の中で「ついつい分かっているつもり」になっていることが意外に多いと改めて気づかされました。
事例を交えながら、①相続や生前対策の基礎②贈与や遺言書の具体的なケース③関連する各士業の役割を分かりやすく学ばせてもらいました。特に相続は民法・税法・不動産登記法など複数の法律が絡み合う分野。私たち宅建業者にとって大切なのは「問題が起きる前に備える」という視点です。相談者を信頼できる士業へとつなぐなどチームで支える体制づくりの大切さを実感しました。
那覇西地区(喜納兼功会長)

研修会の内容を聞き漏らさず記録する会員ら
高齢化社会を迎え、居住用不動産で想定される実務上の問題や課題は多岐に渡ります。宅地建物業者による人の死の告知に関するガイドラインや入居者と保証人の高齢化に対する対応、死亡により生じた賃貸物件の原状回復など、多くの知見を吸収することができました。業界を取り巻く動向にも、情報共有を密にして上手に対応できる体制を整えていきます。また、昨年には母子家庭の食糧支援を行っている「女性を元気する会」に45万円の寄付金を贈ることができました。会員、地域の皆さまのための各種研修会や社会貢献事業を積極的に取り組んでまいりたいと思います。
那覇東地区(糸洲潤会長)

石嶺児童園に寄付金を手渡す那覇東地区業者会
昨年末の「大望年会」では約40社が集まり、当会が過去10年に渡り寄付活動をしている石嶺児童園の園長や先生方、児童もお招き。子どもたちにとっても恒例となりつつあるビンゴゲームに参加してもらい、たくさんの笑顔あふれる時間となりました。大望年会でのチャリティーオークションの収入とわれわれからの寄付金を合わせて、20万円以上を寄付することができました。児童園で過ごす子どもたちの成長と自立に少しでも役に立てればとの気持ちです。ほかの業者会活動の方向性、会員相互の交流を深める事業を適宜検討し、同地区を盛り上げていきます。
小禄・南部地区(大城民夫会長)

定時総会では今後の事業計画や決算報告が共有された
変化の激しい業界であるため、手を取り合って歩を進めていく。会員同士の連携を深めながら資質の向上を目的に、年間の事業計画を策定しております。6月には同地区の定時総会および講演会を開催し、今月はニーズが高まっている「相続」をテーマにした研修会、10月は会員の親睦会。不可欠な実務知識は講演会・研修会でアップデートしつつ、絆を強める親睦会も会員それぞれが持つ経験・知識を共有し資質の底上げになる場につながればと考えております。11月は地域貢献事業も実施します。信頼される業者会づくりと地域の活性化に努めて参ります。
浦添・西原地区(徳嶺庄一郎会長)

少年サッカー大会に参加した子どもたち。表彰も行われた
青年少年育成事業として毎年2月、サッカー大会「宅建カップ」を開催しています。同地区のサッカー協会、小学生のお子さんと保護者の皆さまのご協力のもと、どの大会も印象深いものとなっております。今年で20回目を迎えることができ、ビブスを各チームに贈呈いたしました。また、会員向けの勉強会は弁護士や司法書士をお招きし、「土地不法占領に関する明け渡し」や「法律改正の案内とQ&A」などをテーマに開催。事前の質問と当日の質疑応答も含め、実務につながる情報が共有できたと感じております。引き続き当業者会はさまざま活動にまい進して参ります。
宜野湾・中城地区(宮城竜也会長)

AI活用法を共有した研修会。最新技術を実務に生かす
最新技術を実務に生かす。開催した研修会の一つ「AI活用セミナー」では写真から文字おこしや文書・企画書作成、キャッチコピーの作成など、業務に直結する事柄を共有できました。AIに頼るのではなくて、「上手にAIを活用する」すべを学びました。他の業者会からも参加申し込みがあり、最新技術を実務に生かす、という参加者の姿勢がうかがえ、大変有意義な研修会になったかと思います。また、私たちは毎月第4火曜日は宜野湾市役所で不動産無料相談会を行っております。申し込み定員を上回る相談者が訪れております。今後も不動産のお困りごとの相談窓口として、地域貢献の活動を活発に行っていきたいと思います。
中部地区(長嶺将賢会長)

設立40周年を祝して開催されたチャリティーゴルフコンペ
地域貢献の一環として、会長をはじめ三役・委員長らが中部地域の6市町村の社会福祉協議会を訪れ、寄付しました。今回は昨年の中部業者会設立40周年記念チャリティーゴルフコンペの収益金から捻出しましたが、今後も継続していく所存です。4月の定時総会で総務・流通・事業の各委員会が新体制となり、さらに業者会・地域を盛り上げて活動してまいります。宅建業法改正などから重要な点を絞り解説する勉強会を行い、第2弾も開始。実務に直結する事柄だったことも関連し「危機感を覚え気が引き締まった」との声もありました。会員と依頼者、双方を守れるよう、サポートしていきます。
北部地区(津波隆太会長)

北部地区業者会の会員ら
一般消費者向けの「不動産無料相談」を「名護さくら祭り」の会場で行っています。毎年恒例となっている行事を通し、同業者会ならびに宅建業協会のハトマークを多くの人にPR。祭りの後には情報交換会も行い、会員はもちろんのこと、地域や関係者の皆さまと交流を深めています。ほかにも第47回名護市長杯ハーリー大会へ出場し、地域行事に貢献できたかと思います。また「判例から知る現場対応と対策」や「市場拡大する地域の空き家問題とは?」など、時勢を反映したテーマで勉強会を開催しています。会員の疑問をクリアにし、一人一人が相談者の疑問に答えられるプロ人材を目指します。
[宮古・八重山地区業者会]離島の空き家問題 解決に注力
(公社)沖縄県宅地建物取引業協会の宮古・八重山地区業者会も地域の課題解決に向け、精力的に活動している。空き家の管理・活用などをスムーズに行える体制づくりを整えつつ、物件を魅力的に見せる空間演出法などを研修会で会員らが学ぶ。
宮古地区(宮國寿成会長)

「ホームステージング®」の知識を共有した地域研修会
われわれは昨年、市町村の空き家対策を補完する民間法人「空家等管理活用支援法人」の認定を受け、公的な立場から空き家の管理や活用を促進していきます。行政から把握している空き家の情報を提供してもらい、業者会一丸となった取り組みがいい成果につながるよう頑張って参ります。また研修会では「ホームステージング®」の極意について、講師を招き、多くの会員らに共有。同地区にはなじみにのない物件提供スタイルでしたが、物件をより魅力的に見せる空間演出の手法など気づかされることが多くありました。「ホームステージング®をさらに学びたい」との声も挙がり、有意義な研修会でした。
八重山地区(水上雅生会長)

日ごろの労をねぎらいつつ、悩みも共有した大忘年会
うれしいことに会員数は年々、増えております。物件価格の高騰や賃料上昇などに限らず、不安定な世界情勢から生じる多くの課題に直面しています。会員の結束を強め、互いを助け合う強固なコミュニティーという強みを生かし、困難に立ち向かっていきます。今年2月の定例会では石垣市民も利用の対象となった「空き家バンク制度」を取り上げました。多くの方に空き家バンクの利用機会を提供することを目的に、実施要項を改正。同制度を活用したい方は直接、業者会に登録している事業者に相談できるようになりました。空き家所有者の負担を減らすことで、空き家問題が少しでも改善されることを期待しております。
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毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」特集・9/23 不動産の日 沖縄県宅建業協会の取り組み
第2124号(2026年9月18日発行)より転載
