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不発弾の危険性に触れたことがない世代が増えている。だが昨年末に沖縄県那覇市の民家敷地内で不発弾が発火、2026年5月には浦添市の区画整理地内で250キロ爆弾が発見されるなど、今なお危険と隣り合わせだ。県では、住宅の新築・建て替えや民間工事の際に行う不発弾探査費用を補助する事業を実施している。県や探査を請け負う県磁気探査協会は「事故防止や安全確保のためにも積極的な活用を」と強調する。(編集部/徳正美)
不発弾知らぬ世代
県は7月29日~8月17日、「不発弾処理推進月間 未来を守る、記憶と行動」と題したパネル展を県立図書館入り口フロアで開催した=写真。
8月は不発弾処理推進月間

沖縄県は安全な地域づくりと記憶の継承の促進を目的に、戦後80年の節目であった昨年、毎年8月を「不発弾処理推進月間」に制定した。同月間は、不発弾の危険性や磁気探査支援事業などの周知などに取り組む。ことしは7月29日~8月17日まで県立図書館入り口フロアでパネルや模型弾の展示が行われ、親子連れなどが模型弾などに見入っていた。
県危機管理課不発弾対策班の松竹元士班長は「祖父母世代は見たことがあっても、子や孫世代は知らない人も増えていると感じる。これを機に不発弾の危険性に触れ、磁気探査支援事業を活用してほしい」と力を込める。漢那隼人主事も「夏休みとあって家族連れなどが観覧。中には『もう見つからないものだと思っていた』と驚く人もいた」と話した。
戦後81年がたった今でも、不発弾は毎日1~2発ペースで見つかっている。昨年末からことしにかけては宮古島市の宮古空港で計7発、5月には浦添市前田の区画整理地区内で250キロ爆弾が発見された=写真。

2026年5月21日、浦添市前田の区画整理地区内で見つかった米国製250キロ爆弾(沖縄タイムス社提供)
松竹班長は「浦添の例は開発中の土地だったが、住宅の建築工事中にロケット弾などが見つかるケースも多い。宮古空港のケースは、おととし宮崎空港で不発弾が爆発した事案を受けた探査によるもの。いずれも、いつ何が起こってもおかしくはなかった」と危機感を募らせた。
危険性変わらず
長年、埋まっていた不発弾でも危険性は変わらない。25年12月には、那覇市安謝の民家敷地内に置かれた不発弾が発火。近くで工事中の作業員らが腐食の激しい不発弾を廃材と見間違えて回収したもので、空気に触れると自然発火する黄リンを含んでいた。

2025年12月10日付の沖縄タイムスの記事。那覇市安謝の民家の敷地内で廃棄物入りの袋に不発弾が入っており、発火した(沖縄タイムス社提供)
そうした危険から県民の命や財産を守るため、県は2012年から「住宅等開発磁気探査支援事業」を実施している。住宅の新築や建て替え、店舗などの民間工事予定の土地を対象に不発弾探査を行うもので、費用は原則100%補助が受けられる。不発弾が見つかった場合でも、自衛隊が安全化処理と回収を行う。
事業開始から25年度までの14年間で2556件の探査を行い、140件で不発弾が発見された。20件に1件の割合だ。漢那主事は「特に那覇市、浦添市、糸満市、西原町、南城市、南風原町など宅地として人気のエリアから多く見つかっている」と話す。
建築に組み込んで
補助を受けるには事前の申請が必要。敷地面積などによって異なるが、基礎の深くない一般的な一戸建ての場合、申請受理から探査開始までに約2週間、探査完了までにさらに約2週間かかる。
長年、不発弾探査に携わる県磁気探査協会の儀保五十一副会長は「安心・安全な暮らしは何物にも代えがたい。せっかくマイホームを建てるなら、建築工程に『磁気探査』も組み込んでもらいたい」と話す。仲宗根昌博会長は「皆さんが住んでいる家も、建築時に探査をしていなければ、敷地内に不発弾が埋まっているかもしれない。次世代に〝負の遺産〟を残さないためにも、不発弾探査が当たり前になってほしい」と呼びかけた。

(一社)県磁気探査協会の仲宗根昌博会長(左)と儀保五十一副会長
探査費用は事業活用で原則全額補助「住宅等開発磁気探査支援事業」
住宅の新築や建て替え、その他の工事を行う際に不発弾探査にかかる費用を県が原則、全額補助する「住宅等開発磁気探査支援事業」。安心・安全な暮らしのためにもぜひ活用しよう、詳細はこちらからも見られる。
不発弾に関するQ&A
探査に掛かる費用は?/原則として申請者の負担はなし
県の予算内であれば原則、全額補助されるため申請者の負担はない。ただし、樹木の伐採や所有物の撤去などは申請者自身で行う必要がある。
探査の方法、期間は?/専門業者による磁気探査。申請受理から探査終了まで約1カ月
不発弾が主に鉄製なので、磁力を利用した磁気探査で地中に鉄類が埋まっていないかを調べる。探査は専門業者が行う。申請受理から探査開始まで約2週間。その後、探査に約2週間かかる(敷地の広さなどにより異なる)。
補助を受けられる対象は?/住宅やアパートの新築・建て替えなど、民間の工事予定地
住宅の新築や建て替え、各種事業所、店舗、土地造成といった民間の工事予定地が対象。面積による制限はないが、過去に同事業の補助を受けたことがある土地は対象にならない。ただし、建て替えなどで以前よりも基礎が深くなる場合などでは補助の対象となる可能性がある。
申請方法は?/申請書類を「電子申請」または「県危機管理課」で提出
こちらから電子申請で申請予定票を提出する。または申請予定票を印刷し、記入の上、県危機管理課に提出する。
不発弾を見つけたら?/近寄らず、すぐ警察に連絡!
万一、探査していない場所で不発弾を見つけたら、近寄ったり触れたりせず、すぐに警察へ連絡を! 探査中に不発弾が見つかったら建設予定地の市町村、県、自衛隊で処理方法を協議の上、後日処理作業を実施する。費用はすべて公費で賄われる。


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↓画像をクリックすると、「沖縄県磁気探査協会」のホームページに移動します
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」特集・9月23日は不動産の日 新築・建て替えに不発弾探査
第2124号(2026年9月18日発行)より転載
