沖縄の癒やしを満喫 平屋の自宅兼サロン|お住まい拝見

仲間久美子さん宅 RC造/自由設計

「沖縄だからこその癒やしを届けられる場を」と、地元に自宅兼プライベートサロンを建てた仲間久美子さん。漆喰壁のアーチが柔らかな印象をもたらす平屋は、光と風が抜け、穏やかな時間が流れる。

庭に面した1階のLDKは、もてなしの場。8人掛けのダイニングテーブルでゆったり集う。アーチの垂れ壁の奥、カーテンで仕切られた空間がリラクセーションルーム

集って安らぐ

木々の緑が間近で、遠くに海を望む宜野座村漢那の高台。「神戸でリラクセーションサロンを経営していて、地元・沖縄だからこそ味わえる癒やしを届けられる場を、いつか作りたいと思っていました」と久美子さん。

長年の夢をかなえた自宅は、仕事の場となるリラクセーションルームを内包する平屋。空間のテーマは光と風。白を基調に、沖縄の海と空を思わせるブルーがアクセントのインテリアがさわやかだ。

リラクセーションルームからLDKと庭を望む。天井と壁はスペイン漆喰仕上げ。白と緑、ブルーのコントラストに癒やされる。隣接するタタミスペースは小上がりになっている

庭に面した開放的なLDKは、もてなしの場。窓を開けると穏やかな風が抜ける。LDKの脇に設けた小上がりのタタミスペースは、ゲストルームを兼ねる。「県外に住んでいる沖縄出身の方や都会で疲れた方が、プライベートな時間と空間を楽しんで、心と体をリセットできる場所を作ってあげたくて」とほほ笑む。

タタミスペース。水色が基調のさわやかなステンドグラスは、久美子さんが見つけたお気に入り。アーチになった壁の裏に引き戸があり、閉めれば個室に

お気に入りは、リラクセーションルームの地窓から見える坪庭。施術中のほの暗い室内で「ガラス片で模様が描かれた土間が、太陽の光でキラキラする。お客さまからも『砂浜みたい』と好評です」。

リラクセーションルーム。造作収納で施術に必要な物がスムーズに出し入れできる。収納下部には明かり取りの地窓。奥の洗面室は引き戸を閉めて目隠し

理想をカタチに

帰省のたびに車窓から眺める沖縄の風景。「カーブを生かした白い建物が増えたら、ギリシャのような美しい雰囲気になりそう」と感じていた。思い描くイメージの家の設計が得意な建築会社を妹から教えてもらい、親からの土地を生かそうと新築を決めた。

外観。白を基調に、曲面を取り入れた柔らかな雰囲気に。アプローチは、顧客が導かれながら入って来られるように、玄関に向かって弧を描くデザインにした

「こだわりを言葉にするのが苦手でしたが、担当してくださった女性の建築士さんがとても気さくで、私の中にあるお客さまへの思いまで丁寧にくみ取ってくれたのがありがたかった。完成まで安心してお任せできました」と振り返る。

近所にはきょうだいや親戚の家があり、行き来も頻繁。「周りの協力や、励ましにも支えられて思いが形になり、毎日が感動と感謝の連続。大切な仲間やお客さまと癒やしの時間が過ごせることが、とても幸せ」と、喜びをかみしめる。

玄関。弧を描く白壁とステンドグラス、アンティークなつり照明で、シンプルかつエレガントな空間にしつらえた。壁面いっぱいの収納(写真左)でスッキリ

ここがポイント/見せる隠すで生活感ナシ

施主の希望は、サロンスペースともてなしの空間、ゲストルームが、生活空間と共存する住まい。「サロンの中に生活空間がこっそりあるような間取りを提案しました」と末松渚さん。リラクセーションルームを囲むようにLDK、水回り、寝室を配置。生活感を感じさせず暮らしやすさもかなえるカギは、片付けをしなくてもパブリック空間をきれいに保てる工夫だ。

まず、顧客も使う洗面・脱衣室の隣にある洗濯・室内干し場・外干し場は、扉で仕切り生活空間と切り離した。吹き抜けの外干し場は、リラクセーションルームの下部に地窓を設け、坪庭として見えるように工夫。地窓のおかげで干した洗濯物は見えないうえ、洗濯→干す→収納の動線は一直線につながっているため、効率的に家事ができる。

外干し場。リラクセーションルームの裏手で、向かいのウオークインクローゼットまで一直線

リラクセーションルームは、ベッド周りでスムーズに動け、施術中に使う物の出し入れがしやすいよう、棚や造作の扉付きの収納を配置。棚の高さやコンセントの配置など、細部まで気を配り、「お客さまが現実世界に引き戻されない空間づくり」を徹底した。リビングダイニングとの仕切りは二重カーテンに。人の気配を感じながらも、プライバシーはしっかり守り、コストダウンにもつなげた。

柔らかな雰囲気の演出に、室内外で曲面を効果的に使用。玄関とキッチンの横のテラスの壁は一部を曲面に。ゲストルームは、仕切りを閉めても開けても空間の変化を楽しんでもらえるよう、アーチの両開き引き戸にした。

キッチン脇のテラス。曲面の壁に設けた開口部からの景色は、絵画のよう。風を感じながらゆったりくつろげる

上写真のテラスを外側から見る。リビングダイニングの掃き出し窓の外から続くテラス。車通りの多い道路に面した西側の一部を、丸みを帯びた外壁で囲むことで、道路からの視線を遮りながらデザインのアクセントにもなっている

DATA

家族構成:1人
敷地面積:786.68㎡(約238.39坪)
1階床面積:96.9㎡(約29.36坪)
建ぺい率:12.90%(許容70%)
容積率:12.32%(許容なし)
用途地域:無指定
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設 計:(有)武一建設 末松渚
施 工:(有)武一建設
電気・水道:漢那電水設備(合)

お問い合わせ

(有)武一建設
電話 098(965)3001
https://www.takeichikensetsu.com/


取材/比嘉千賀子(ライター) 撮影/比嘉秀明
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」
第2111号(2026年6月19日発行)より転載