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全国空き家アドバイザー協議会の会員が、空き家問題の背景や沖縄の現状、具体的な活用方法を紹介。今回は、前回に続き、同協議会沖縄県名護支部の屋部憲史朗支部長が4年目に突入した同支部の今後の活動への意気込みを語る。(文/屋部憲史朗 全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部支部長)
先月号では、名護支部設立からの3年間を振り返りましたが、さまざまな相談に向き合う中で感じてきたのは、空き家の問題は「空き家になってから」始まるものではないということです。
相続する人が決まっていない。実家に住む人がいなくなる。高齢になり建物の管理が難しくなる。家族は県外に住んでいる。こうした状況が重なった先に、空き家になることが多くあります。
名護支部4年目からは、すでに発生した空き家の問題を解決するだけではなく、空き家になる前から地域と一緒に考える活動にも、これまで以上に力を入れていきたいと考えています。
名護支部4年目 つながる仕組み
一つ目は、空き家の発生そのものをできるだけ防ぐことです。「実家をどうしよう」「相続したら誰が管理するのか」。空き家になっていない段階では、なかなか相談しようとは思わないかもしれません。
しかし、所有者が元気で、家族で話し合えるうちだからこそ、決められることがあります。売る、貸す、家族が住む、管理する。答えは一つではありません。大切なのは、選択肢が多く残されている段階から考え始める、つまり親が元気なうちに家族の話し合いを持つことだと思います。
二つ目は、空き家や実家のことで困っている方と、できるだけ早くつながることです。この3年間の活動で、「どこに相談すればいいか分からなかった」「もっと早く知りたかった」という声を多くいただいてきました。相談窓口をつくって待っているだけでは、私たちの存在を知らない方には届きません。
そのため、行政だけでなく、自治会や地域の皆さまとも連携しながら、困っている方が問題を一人で抱え込む前につながる仕組みをつくっていきたいと考えています。
空き家の問題には、不動産だけでなく、相続、登記、境界、建築、解体、家財や仏壇など、さまざまな課題が関係します。地域で気付き、相談につなぎ、それぞれの専門家が解決に向けて一緒に考える。「行政×地域×専門家」の連携を、さらに強くしていくことが必要だと感じています。

9月6日に名護市屋部支所で行われた住民向けセミナー。全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部は、空き家や仏壇、墓じまいなどの課題に対し、地域とつながる取り組みに力を入れている
地域資源として、次世代につなぐ
そして三つ目は、まだ使うことのできる空き家を、地域の資源として次の世代につないでいくことです。
空き家というと、「古い」「危ない」「解体しなければならない」といった印象を持たれることもあります。もちろん、老朽化が進み、解体などの対応が必要な建物もあります。一方で、適切に手を入れることで、再び住宅として使える建物もあります。
人口減少や高齢化が進む中で、すでに地域にある住宅をどう生かしていくのかという視点も、これからますます重要になると思います。
所有者にとって大切な財産を、必要としている次の人へ。そして地域の住宅資源として次の世代へつないでいく。そのために私たちができることを、地域の皆さまと一緒に考えていきたいと思います。
名護支部が目指したいのは、「空き家をどうするか」を考えるだけの相談窓口ではありません。
前述のように空き家の発生を防ぐ。困っている人と早くつながる。使える住宅を地域の資源として次につなぐ。そのための地域の相談拠点として、ワンストップで課題解決まで、ご相談者と伴走支援する、そして行政、地域、専門家との連携をさらに深めていく実装団体として取り組んでいきたいと考えています。
「まだ空き家ではないから相談するほどではない」と思われるかもしれません。しかし、「実家を将来どうしよう」「相続した家をどうすればいいか分からない」と考え始めた時点で、相談していただいて構いません。問題が大きくなってからではなく、選択肢が多く残っているうちに一緒に考えましょう。
4年目からの名護支部は、以上のような活動を地域の皆さまと一緒につくっていきたいと思います。
執筆者プロフィル

やぶ・けんしろう/1982年生まれ、名護市在住。2024年、(一社)全国空き家アドバイザー協議会沖縄県名護支部を設立し支部長に就任。(株)ハートボイルド代表取締役社長。北部地区宅建業者会理事。名護市観光協会青年部部長
お問い合わせ
全国空き家アドバイザー協議会 沖縄県名護支部
電話 0980(43)1613
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」どうするその空き家 あなたの実家も!?(32)
第2131号(2026年11月6日発行)より転載