沖縄県の那覇市曙にあるアウトドアショップ「燈人(ともしびと)」のスタッフ・與那嶺康貴さんが「アウトドア×減災(災害による被害を少しでも食い止めるような行動や取り組み)」をテーマに執筆。今回は日頃から活用しているものや行動を災害時にも活用する「フェーズフリー」という考え方を紹介します。(文・写真/與那嶺康貴)
キャンプ楽しむのも「フェーズフリー」

日頃からキャンプを楽しむことも、野外や電気のない生活をするという意味では「フェーズフリー」にあたると思います。キャンプギアを使ったり、アウトドアの知恵は災害時にも生かせるでしょう
日常と非日常一体に
皆さんは「フェーズフリー」という言葉を聞いたことはありますか? フェーズフリーとは、新しい防災の考えで「(防災のために)特別に備える」という意識から、普段の生活で使用しているモノやサービスを災害時(非日常)でも使っていきましょう、というものです。日常と非日常というそれぞれの(フェーズ)の垣根をなくす(フリー)考えから名付けられました。その考えを発信している(一社)フェーズフリー協会は、フェーズフリーの実現には以下の「5原則」が重要としています。
①常活性
日常時はもちろん、非常時など、どのような状況においても快適に活用できること。つまり、日常の価値がそのまま非常時にも発揮されること。
②日常性
普段の暮らしの中でも心地よく活用でき、生活の質を向上させる役割を持つこと。日常の利便性をベースに非日常でも役立つモノやサービス、ということ。
③直感性
使い方や使用できる年数が誰にでもわかりやすく、老若男女問わず簡単に利用できること。
④触発性
商品やサービスを利用することを通して、安全や防災に対する気づきをもたらし、災害に対する意識を促すこと。
⑤普及性
安心で快適な社会をつくるため、誰もが気軽に参加・活用でき、広く社会に広まっていくものであること。

レトルト食品や缶詰など、長期保存できる食品を普段の食事にも取り入れ、ローリングストックしながら備えることも「フェーズフリー」です
キャンプ楽しむのも◎
「フェーズフリー」を実行することで、以下のようなメリットがあります。
- 普段から使い慣れているため、災害時に使い方が分からないということがなくなる
- 備蓄品のスペースやコストを削減できる
- 災害時、避難所などでも普段使っていたものを使用することが環境変化によるストレスの軽減につながる
フェーズフリーの具体例をいくつか上げます。
普段の食事やおやつに、缶詰やレトルト食品など手をかけずに食べられて賞味期限が長い食品を取り入れることで、ローリングストック(日常備蓄)になる。
スマートフォンなどの充電で使用しているバッテリーを、ライトとしても使えるものに変えるなど多機能性を重視する。
家族や友人たちと普段からキャンプをすることで、キャンプギア(火起こしや調理器具、クーラーボックスなど)やアウトドアの技が、そのまま災害時にも活用できる。
もうすぐ夏休みです。家族で「フェーズフリー」を意識しながらファミリーキャンプを楽しんでみてはいかがでしょうか?
執筆者プロフィル

よなみね・やすたか/沖縄ヤマハ内のキャンプギアコーナー「燈人(ともしびと)」スタッフ。
お問い合わせ
沖縄県那覇市曙1-8-10
電話 098(866)5365
https://sites.google.com/view/tomoshibito
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」アウトドア×減災(38)
第2113号(2026年7月3日発行)より転載