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2022年8月12日更新

プロジェクター② 投射方式や光源で価格に差|イマドキ ホームシアター&オーディオ入門編⑥

前回はプロジェクター選びの三要素をお伝えしましたが、今回はプロジェクターの投射方式の違い、光源(ランプ)の種類や特徴についてお話しします。少し専門的な話になりますが、プロジェクターを購入する前に頭に入れておきましょう。

イマドキ
 ホームシアター&オーディオ入門編⑥ 


プロジェクターの選び方・第2弾
投射方式や光源で価格に差
プロジェクター選びの三要素
前回はプロジェクターを選ぶ際に大事な三要素を説明しました。少しおさらいしましょう。
①「解像度」…画素数を表し、高ければ高いほどきめ細かな映像になります。
②「コントラスト比」…白(最大輝度)と黒(最小輝度)の差で、差が大きいほどメリハリの利いた画像になります。
③「ルーメン(lm)」…プロジェクターの明るさを示す単位です。数値が大きいほど明るいです。


 投射方式に見る長短所 
最近のプロジェクターは外見は同じに見えても、投射方式や光源によって画質や用途が大きく異なります。まずは投射方式について説明します。

◆LCD方式
一般的に普及しているのが、「透過型液晶パネル(LCD)方式」です。光を三原色(赤・緑・青)に分け、それを液晶パネルに投射してカラーの映像を作り出します。

メリットは、明るい映像を映すことが可能で、価格が手頃なこと。そのため、ホームシアター用からビジネス用まで幅広く使われています。

デメリットは黒の再現性が低いことでしたが、最新の機種は非常に向上しています。価格・品質ともに、入門用におすすめのプロジェクターです。


◆LCOS方式
「反射型液晶パネル(LCOS)方式」は、複雑な構造をした反射型液晶を表示パネルに用いています。高価になりがちですが、最大のメリットは高コントラストで、4K以上の高精細な映像を再現できることです。フライトシミュレーターやプラネタリウムなどにも採用されています。

プロジェクターでは、画質重視の高級機などに搭載されています。その映像は、皆さんのプロジェクター映像のイメージを覆すことでしょう。高画質のホームシアターを検討中の方は、一見の価値ありです。


◆DLP方式
最近の小型プロジェクターなどで採用されているのが「デジタル・ライト・プロセッシング(DLP)」方式です。デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)という微細な反射ミラーを用いています。

このDMDを1枚使った単板式のDLPならば、比較的に安価で軽量です。入門機などに採用されていますが、時にカラーブレイキング(虹色の残像)が見えるというデメリットもあります。

ちなみに「デジタルシネマ」と呼ばれている映画館はDLPを3枚使い、強力な光源で照らして映し出しています。

3枚方式の場合はカラーブレイキングは起きません。




 光源は主に3種 
次にプロジェクターの光源について説明します。

◆水銀ランプ
現在、一番普及しているのが水銀ランプ(UHE)です。高輝度で明るく、わりと安価です。使い方や機種にもよりますが、ランプの寿命は3000時間前後です。通常のホームシアターでの使用であれば5年以上使える計算です。注意点は電源を切った後、ランプ冷却のための時間が30秒ほど必要なことです。


◆レーザー
最近注目されているのが、レーザー光源です。水銀ランプより明るい映像を得られます。寿命も長く、2万時間程度あります。起動、終了も早く設置性にも優れていますが、まだ価格がこなれていないのが難点です。今は高級機に採用されていることが多いのですが、今後は水銀ランプにとって代わると思います。


◆LED
最後に、モバイルプロジェクターなどの小型プロジェクターに搭載されているLEDです。消費電力が低く、バッテリーなどでも動作可能です。ただし、明るさを得ることが難しいので、使用範囲は限られると思います。





とうやま・ひろと/アバック沖縄店長。40年以上、オーディオやホームシアターの仕事に携わる。県内で手掛けたホームシアターは700件以上。好きな映画はレオン、ブレードランナー、グラディエーター。
◆アバック沖縄店 那覇市銘苅323-1
☎098・943・9178


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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1910号・2022年8月12日紙面から掲載

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